目の前に

惨事の起こるを 見たとして

直ぐに 言葉に叫ばぬよう

せめてひと晩 塩漬けに

その場では

声を挙げない 思慮深さを

戒めにして 歩き出せ



目の前に

形あるもの 壊すは刹那

作り上げるを 掲(かか)げた限りは

せめて世紀は 掛かること

その場では

声を挙げない 思慮深さを

戒めにして 歩き出せ



口の端に のぼせるなかれ

出したその場で 腐敗する

こころの 言葉を 携えて

隣の者と 手を繋げ