彼女は、とても優しい。
自分の大切な人のためなら、自分の時間をいとも簡単に差し出す。
「あなたの幸せが私の幸せ」
彼女はそう言って、可愛らしく笑う。
でも、私は知っている。
彼女が苦しんでいる事を。
そして、その想いは、彼女の心と身体を蝕んでいる事を。
私は、そんな今にも消えそうな彼女を助けたかった。
でも、
「どうせ私なんか…」
と、言う彼女の目には、私は映っていなかった。
私にできることは、彼女の心を離さない事。
でも、私にも限界が来た。
彼女の苦しみの感情が、怒りとなって私に向いた。
「あんたのせいで、私は…」
「いなくなればいいのに」
彼女の口から出た、鋭い刃物のような言葉を私は避ける事ができなかった。
そして、私は彼女の心を離した。
行き過ぎた自己犠牲は、誰も幸せにしない。
そのことに、彼女が、いつか気づいてくれたら嬉しい。
彼女が独りぼっちになる前に。