高橋ひろさん。

 

財津和夫さん率いるTULIPの第Ⅲ期のメンバーだった。

そのときは、高橋裕幸の名で名前を連ねていた。

 

TULIP解散後、ソロ歌手として活躍した。

 

アニメ『幽☆遊☆白書』の主題歌で、ヒットも飛ばしている。

 

ただ非常に悲しいことに、

2005年11月、41歳の若さで、多臓器不全によりお亡くなりになっている。

 

TULIPの頃から、そのポップな歌作りに長けていたと思う。

 

今でも、彼の歌で、ヘビーローテーションしている曲がある。

 

ソロになってからの 『恋のリベンジ』だ。

 

 

 ♪恋のリベンジ

 

作詞・作曲:高橋ひろ

 

74年型の青いワーゲンが僕を誘うよ

きゃしゃな腕高い腰  君と反対の年上のひと

誰もいない道路でこっそりkissの嵐さ

ラジオからは放送終了の「蛍の光」

悲しいけど僕ら帰る家がちがうの

初めてのうらぎりは甘く危険な香り  はまりそうだよ Oh Yeah

 

84年卒の同級生の君とはけっこう長くて

B型同士だし友達みたいにきっと思ってた

エンジンかけたまんまできゃしゃな腕は離れた

ジョークと本音の境目にてゲームは終わるよ

悲しいけど僕にはね  帰る君がいるから ……

 

 

 

留守電吹き込むみたいに よそよそしく話す君の

「サヨナラ」に何度も耳を疑ってた

何かの間違いだろう  いたずらだろう

 

今でも一番好きな人はあなただけれど

女にはそれだけじゃ待てぬ理由があるの

強力なしっぺ返し 僕はなすすべもない

 

94年末のウェディングソングは僕らの青春の終わり Oh Yeah

 

 

極上のポップソングに仕上がっている。

 

74年 ⇒ 84年 ⇒ 94年 と数字を使った言葉あそび。

 

そして、メロディにうまく言葉がのっかっている。

 

例をいくつかあげると…

「放送終了の」は、「ほォーそォ ・  しゅうりょの」、

「同級生」は、「どォーきゅ・っうっせ・の」

「君とは」は、「きみとっ・は」

「友達みたいに」は、「とも・だ・っち・みたいっに」

「今でも」は、「いーまっ・でもっ」

 

とにかく耳心地がイイ。また歌詞に物語性があり・短編ドラマ仕立てになっている。

 

 

ひろさんは、

三枚のオリジナル・ソロ・アルバムと、ベスト盤一枚が出ている。

 

ぼくは、この曲が、高橋ひろさんの真骨頂・独擅場・出色のできばえと思うのだが、

ベスト盤の選曲からは、もれてしまっている。

 

逆を言えば、

この曲が入れないくらいに、他にもたくさんポップな曲を残しているということだ。

 

 

「恋のリベンジ」は上記アルバム『 WELCOME TO POPSICLE CHANNEL 』に収録されている。

 

ちなみに ひろさん は “ POPSICLE ”というバンド名義で、同名のCDも出していた。

disk union で偶然・幸運にも発見できた。

一枚(組)のアルバムにもかかわらず \7,480 だった。

「高い」のは、値段ではなく「価値」にある。

 

安く手に入るなら、それに越したことは、確かにないが、

「価値の高さ」を共有できる喜びに遭遇できるチャンスはそうそうはない。

見つけたとき、値段を見たときに、ぼくは嬉しくなっていた。

 

ひろさんの ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

あなたが作った曲は、確かに残っています。

ありがとうございます。