帰との関係破綻後、まず始めに訪れたのは圧倒的開放感だった。

別れてよかった。


心底そう感じた。

しかし、交際と言うのは互いに好きだからこそ成し得る関係。そこに圧倒的矛盾があった。

自己嫌悪は直ぐに襲って来た。

自分は何をしているんだ。このままでいいのか?


帰と別れてからの数日間、今回の一連について考察した。



まずはじめに帰と出会ったのは渋谷であった。見た目以外彼女の事は何も知らなかった。単純に彼女の外見に魅力を感じ、そして声をかけた。当然だ、ナンパなのだから。


彼女は何て美しいんだ。彼女の事をもっと知りたい!!

とは思わなかった。


自分のナンパスキルを試したい。成功体験を増やしたい。その一心であった。

彼女からしたらいい迷惑だが、実に真面目にナンパに取り組んでいた。


そうなると、必然的にセックスが目標という事になる。

そして実際に準即。

正直、物語はここで完結すべきであったのだ。


しかし恋愛をしたいという「邪念」(ナンパ師から見た場合の)が沸き起こり、交際へ発展。結果ストレスを溜めただけであった。

当然だ。彼女の内面に惹かれていたわけではなかったからだ。セックスの回数を重ねるごとに、タキの中での彼女の価値は下がっていった。


つまり、タキが欲していた彼女とは、単に美人でセクシーなだけでなく、見た目以外の面でもタキの心を掴んで止まない人物であったのだ。


心の中でセックスの価値が下がった時、タキは既にナンパ師ではなかった。