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| 拡大写真 |
| 山田兼道氏(写真:夕刊フジ) |
——ゴルフコースを被写体にした理由を教えてください
「主に広告写真を撮り続けてきたんです。もちろん、仕事としてね。でもあるとき、カメラマンとして自分らしい作品集を世に遺したいと思った。どうせやるなら、これまで人がやっていないジャンルは何かないかと。ところが、大抵のジャンルは手垢がついていて、自分らしさが今ひとつ出せそうにない。随分と思案したんですけど、なかなか見つからず困り果てていたんです。僕はゴルフが大好きで、当時メンバーだった場所がたまたま井上さん設計のコースだった。あるとき、いつものようにゴルフをしていたら、井上誠一の名前がなぜか急に閃いたんです。身近にも被写体があったじゃないかってね。灯台もと暗しってやつですよ」
——人がやっていないジャンルだった
「そう。意外や意外。井上さんの名前は、ゴルフ好きなら大抵の人は知っている。その道の達人ですよ。でも、調べてみたら、過去に写真集という形で井上さんのコースを被写体にした例はなかった。これは、いけるかもしれない…と思ったわけです。それから自分のコースに泊まり込んで調査を始めました」
——調査ですか?
「千葉の鶴舞カントリーです。当時は宿泊用のロッジがあって、そこに3日間泊まり込んだ。コースの了解を得て、まだ人が足を踏み入れない夜明け前、プレーヤーが帰宅した日没後、あるいは月下のコースも歩いてみた。そうすると、日頃散々プレーしていて見慣れているはずのコースが、まったく違う顔を持っていることに気がついたんです。季節、時刻によって様々な陰影が出て、距離感やフェアウエーの幅なども異なって見える。そのとき、井上誠一が仕組んだ罠、コース設計にあたっての意図などが薄々見えてきた。もう、すっかり、井上作品の虜ですよ」
——深いですね
「日本文化が根底にあるとでも言うのかな。独特の世界ですよね。それから井上さんの処女作であり代表作でもある霞ヶ関(カンツリー倶楽部、埼玉県)の支配人に手紙を書いた。1週間で返信が来て、最大限応援するという確約をいただいたんです。38コースを手がける上で、最初に霞ヶ関からお墨付きを得たことは大きかったですね。それから2年半かけて北海道から沖縄まで、38コースを回りました。すべてのコースが僕の趣旨に賛同してくれて、途中、井上さんの墓参りをしたり、本当に充実した時間でした」
——印象に残ったコース、ホールを挙げてください
「どれが一番とか、最高とか、そういうものはないんです。格付けできない深さ、難しさとでも言うのかな。ただ、最初に霞ヶ関を訪れたとき、西コース12、13番の間にある能登池から川霧というか、朝靄が立ち上がっていて、レンズ越しに見た構図は忘れられませんね。井上さんの作品をライフワークに選んだ自身の選択が、間違っていないということを実感できた瞬間でしたからね」
——井上作品と他のコースの違いは?
「他のコースをひとくくりにはできません。井上さん設計以外のコースでも、日本には素晴らしいコースが山ほどありますからね。ただ、最近の傾向として、竜安寺の石庭とベルサイユ宮殿をミックスしたような意図不明、違和感ありありのコースが増えてきた。お金をかけてもコース設計の基本を知らないから起こる現象です。井上さんは1962年に世界周遊しています。このとき、セントアンドリューズ、ミュアフィールド(いずれも英国)、オーガスタナショナル、パインバレー(いずれも米国)など世界の名コースを幾つも視察した。その結果、確信を得るんです。世界のコースから学ぶべきものはない、と」
——それだけ日本文化、自身の設計に誇りを持っていた
「そういうことです。鶴舞の東4番パー3、ビーチバンカーは井上さんがパインバレーの造形を初めて日本に持ち込んだものですが、こういうケースは非常に稀で、枯山水、女体を模した曲線美、日本古来の文化をあくまで基本としている。それは井上さん後期の作品に特に顕著で、烏山城(栃木)、笠間東洋(茨城)などはコース全体に丸みがあり、博多人形や歌麿の絵になぞらえる人もいるぐらいですから」
——現代の日本人にも参考になりそうですね
「アングロサクソンのエネルギッシュな文化も素晴らしいですが、竜安寺石庭はわずか80坪、千利休が京都山崎に作った茶室待庵はわずか2畳の世界に小宇宙が表現されている。日本文化はスンゲェ~わけですよ。そういう造形美、トリックが井上さん設計のコースには溢れているんです。現代の日本男児は、忙し過ぎて余裕がない。余裕がないと感性は生まれませんからね(苦笑)」
■山田兼道(やまだ・かねみち) 1942年、群馬県前橋市生まれ。文化工房・牧田仁氏に師事し、(株)アドス写真部長を経て74年に独立。目黒区青葉台にスタジオを構え、広告写真の仕事を中心に活躍する。近年、ライフワークの一つとして、井上誠一設計のゴルフコースを撮影。日本文化の原風景を追い求めている。「井上誠一・大地の意匠」(1998年)、「エッセイ集あるがままに」(2003年)、「いつか、ここで。井上誠一のゴルフコース」(2008年)、「大地の意匠・オリジナルプリント美術作品集(100部限定販売)」(2008年)など写真集・著書多数。(社)日本写真家協会・日本写真芸術学会会員。写真家山田兼道オフィシャルサイトから写真集購入も可。
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