夫婦が離婚した場合、分割される財産の中には預金などの財産だけでなく、年金も含まれています。離婚時年金分割と呼ばれるもので、離婚条件の一つとして取り決めが行われます。

 

夫と妻でもらえる金額に差が発生している場合、その差額分を分けて財産を平等にするという考え方で、額が大きい方が分割される対象となります。

 

ただし、差額の全てを含めて分割されるわけではなく、対象となるのは厚生年金の報酬比例部分のみです。そして対象となる期間は婚姻している間となっています。

 

また、一方的に分割されないケースも存在します。

 

婚姻期間のうち、基本的には夫の収入のほうが高かったとしても、共働きの時期に妻が収入を上回っている期間が少しでもあったとします。その場合、その部分に関しては妻から夫へ分割されるという結果が生じます。

 

離婚時年金分割の結果は、支給開始時期にならないと反映されない点にも注意しておきましょう。受給年齢が65歳からで、離婚時はまだその年齢に達していない場合、それまで待つ必要があります。

 

そして年齢を満たしていても、未納などの問題があり受給資格を満たしていない場合は、もらうことができなくなります。離婚後、老後を過ごしていくにあたって重要な所なので、どのように分割されるかしっかり確認しておくことが必要になります。

遺族厚生年金は、遺族年金に上乗せして支給される場合と、厚生年金保険の独自給付として単独で支給される場合があります。

 

年金額の計算方法は、被保険者期間の月数を、最低300月として、年金額を計算する場合には、実際の被保険者期間の月数で計算する場合の2通りがあります。


ただ、時代によって貨幣価値は大きく異なるため、そのままの給与額で年金額を算定すると、極端に少なくなる可能性がありますから、不都合の補正に再評価率が使用されます。
再評価率は、日本年金機構のページで公開されています。


遺族年金とは、サラリーマンの場合、毎月給与から年金保険料が天引きされますが、その保険料には、老後に受け取る年金以外にも、亡くなった時に受け取ることができる遺族年金、障害状態となった時に受け取る障害年金の3つの保障が含まれています。


ただ、どのくらい受け取れるのかは、支払う保険料などによっても変わってきますから、すぐにはわからない仕組みとなっています。


金額は、ねんきん定期便に、今まで支払った保険料に応じた金額が記載されていますから、そこを見て知ることができます。


ただ、年金に加入している期間が25年未満の人が亡くなった場合の計算方法は、これまでの加入実績に応じた老齢年金÷加入月数×300ヶ月×4分の3となります。

 

国民年金には遺族年金の制度があります。通常、国民年金は納付した月数に応じて支給額が決定されますが、遺族基礎年金については一律で年額78万100円となります。遺族厚生年金よりも計算方法はシンプルです。


その対象者は、一定の要件を満たす配偶者と子です。子については18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者、または20歳未満であって障害等級1・2級に該当する障害の状態である者です。

 

配偶者については、被保険者または被保険者であった者によって生計を維持し、要件を満たした子と生計を同じくすることが条件になります。生計維持の認定については、生計を同じくしていた上で年収850万円以下、所得が655.5万円以下であることが条件になります。


計算方法については、78万100円を基礎とし、子の人数によって額を加算します。対象者が配偶者の場合、一人目及び二人目の子が22万4500円、三人目以降は一人当たり7万4800円となります。

 

対象者が子だけの場合、二人目の子が22万4500円、三人目以降は一人当たり7万4800円となります。妻が受給権取得時に妊娠していた場合のみ、出産後に年金額が加算されます。


遺族年金は子の養育のための制度であり、要件を満たす子がいなくなると受給は終了します。
 

老齢基礎年金とは老齢年金の一つで、日本の年金制度のうち、いわゆる1階部分と呼ばれている基礎的な年金に当たります。国民年金に加入している人が受給資格があります。

 

ちなみに2階部分と呼ばれているのは老齢年金のうち老齢厚生年金と呼ばれているもので、こちらは会社員など企業に雇用されている人が加入している厚生年金保険料が元になって支給されているものです。


会社員など厚生年金に加入している人は、自分は国民年金には加入していないから老齢厚生年金はもらえても老齢基礎年金はもらえないのではないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありませんから安心してください。厚生年金に加入している人は自動的に老齢基礎年金の受給資格もあることになっているからです。


ところで、この老齢基礎年金の受給要件ですが、20歳~60歳までの40年間の間に、25年以上加入していることとなっています。

 

20歳~60歳の40年間というのは結局のところ人生の中で一般的に仕事をしている期間ということですが、このうち25年間というのはかなり長く、実際にはこれを満たさない人も多いのです。

 

そのためつい最近になって法律が見直され、25年間ではなく10年間で受給資格を満たすようにされています。

離婚時年金分割とは離婚をした場合において、厚生年金保険合意分割の法律として制定されました。

 

離婚をしたら離婚時年金分割ができる!と、一時話題になりましたが、仕組みは複雑なので内容をよく理解しておきましょう。

 

まず、離婚時年金分割の原則として、

① 平成19年4月1日以降にした離婚に限られます。

② 老齢厚年の受給開始の前後を問わない。

③ 原則として、離婚から2年を経過すると分割請求することができません。

④ 厚年及び共済年金の報酬比例部分のみが対象となります(定額部分は含まれません)。ここが要注意です。全部ではありません。

 

分割の方法として、

① 婚姻期間全体の保険料納付記録が対象となります(平成19年3月以前も含みます)。

② 内縁関係の場合は、原則として、第3号被保険者として認定されていた期間に限ります。

③ 離婚当事者が合意した、または家庭裁判所の決定による按分割合(分け方)に基づき、請求します。

④ 保険料納付記録の多い方が少ない方に対して分割します。

⑤ 按分割合は2分の1以下の範囲で決定します。

 

分割の効果として、当事者の請求した按分割合につき、婚姻期間中分の支給金額が改定し決定します。そして、自分自身が該当年齢に達したら支給が開始されます。

 

決定された後は、元配偶者が死亡しても、分割後の金額等に影響はありません。

 

厚年の報酬比例部分のみを按分しますので、全部ではないことを頭に入れて老後の計画をよく考えましょう。