もう限界

店員に思いっきり手をふる
『1つ、ナポリタンを!!』

周りの視線なんぞ、
鼻くそだ。

椅子にかけてあった黒い傘が、床に揺れ落ちる。

それを、カップル側の女が
拾おうとしていたが、
すかさず、自分で拾った。
私が頼もうとしている
ナポリタンは、この店一番人気のメニュー。
そのナポリタンを、隣のカップル客の女が頼んだ。



チッ(心の中の舌打ち)


私、28歳。フリーター。
いや!トリマー目指して専門学校の資金を貯めているフリーター。

雨の中、猫背の私。
喫茶店『すぎ』のテーブルの木目調をじっとみて、時々、天井のライトを初めて太陽を仰ぐかのように眩しくみる。

グレーと黒のボーダーの服に黒のパンツ。
そして、真っ黒な傘。

パッとしないという言葉を象徴するかのような女が私のような者を言うのかもしれない。

そんな事を考えているうちに、反対側のテーブルに座った中年の女が、やはりナポリタンを注文した。

自分が先に喫茶店に来ていたのに、両脇に先を越され、しかも、自分の食べたかった物を先に注文されてしまうという状況。

あまり楽しい話しではない。

しかし、私は極度の引っ込み思案なので、なんとか店員があっちからメニューを伺ってくれる事をのぞんでいた。
何分経ったろう。。


その時、
両脇のテーブルにはオレンジとも赤とも違う、眩しいナポリタンが到着した。
うっとり。
 
ですね。
 
 
由梨のユリカモメ-2010061217320000.jpg
気休めに、この写メを
どうぞです。