ここは棚の上。
いつも上から下を眺める自分。
頭、腕、足…からだ中ほこりだらけ。
昔は木の椅子に座っていたけど、いつのまにか椅子が消えていた。
自分のシンボルのリボンは、真っ赤な色をしていたけど
いつのまにか黒っぽくなっている。
どうして自分はここにいるんだろう。
自分では分からない。
―ガチャ
だれかが入ってきた。
『はぁーあ、疲れた。トイレ行こう。』
部屋を開けっ放しで出ていった。
今入って来たのは、自分の飼い主だ。
今高校2年生。
昔は自分とよく遊んだ。
そう、昔は…。
―ガチャン。
部屋に帰ってきた。
そしてすぐに鞄から、携帯電話を取りだした。
『暇だなあ。何しよう。』
自分は思う…
「遊んでよ…。」
動きたくても動かないからだ。
本当にこんなからだ嫌だ。
ほこりが積もるのは、誰にも触れられてないから。
昔は全身フワフワのアクリルの毛で包まれていた。
しかし今は、ゴワゴワになったアクリルで…。
自分は思う。
「手洗いくらいしてよ。」
自分ではなにもできない。
そう、自分はただのぬいぐるみ。
―テディベアだ。
