こんにちは。私は以前にある映画と出会いました。その映画は声を失ったヒロインが自分の食堂を持ち、いろんな人と心を触れ合い、成長していく姿を描いてます。声を失った...。それだけを聞いてイマイチ分らない方もいると思います。簡潔に言いますと声を失う=病気です。これは、失声症という病気です。




まず、失声症という病気について説明したいと思います。

→主としてストレスや心的外傷などによる心因性の原因から、声を発することができなくなった状態。(wikipediaより)

同じ失声症でもまったく声が出ない人やかすれ声になる人や声質が変わるなど人によって症状が変わります。この失声症というモノを認知している人は近年ではまだ少ないといわれてます。大多数の人は一週間程度で治る方もいます。しかし、一か月や半年。数年経ってから治る人もいるのが現状です。




説明はここまでしときます。私は映画を観てる時に「実際に失声症になったらどんな気持ちになるんだろう。筆談で人とコミュニケーションをすることで何か気づくことはあるのかな?」という想いを持ち、今回疑似体験をすることに決めました。(この疑似体験を書くことは失声症を嘲笑う意図でやっている訳ではありません。むしろ今後そのような人に出会った時に少しでも気持ちを理解したくて実行しました



体験談

 私はペンとノートを握りしめスクールバスの中で揺られていた。日々の過度のストレスと友人の裏切りにより失声症になってしまった私(設定上の話です)は、ボーっと窓越しから空を見ながら時間を過ごした。そしてバスは大学に着き、私は下車した。私が降りたと同時に次々と乗り込む大学生はほとんどが笑顔だった。トボトボと歩いてると(お腹空いたな~)と自然にその思いが浮かび、コンビニへ直行。何を買おうか流し目で商品を見ながら歩いてると肉まんの匂いが鼻へと届いた。(肉まん食べたいなー。よし、肉まんを買おう)と思いレジに行こうとした。(っあ、でも喋れないんだ)と思い出し、持っていた紙にペンを走らせた。「肉まん1つ下さい」とそう書き、若い男性店員に見せた。若い男性店員は直ぐに状況を把握したのか「肉まん1つですね」と言い、肉まんを取りに行ってくれた。少し驚いた表情したけど笑顔を見せながらレジ接客をしてくれる。何か少し嬉しい気分になった。肉まんを食べながら私は授業へと向かった。

 教室に着くと既に数名の生徒が席に座り友達と話してる。私も定位置に座り、上の空で時を過ごしてると隣に座る男子が話しかけてきた。「桐島、部活やめるってよって面白い?」。急な事だったけど頷くジェスチャーをした。その後も話しかけてくるから笑って頷いてると、「何で喋らないの?」と問いかけられた。(やっぱり、気づかれてしまったか。仕方ない)と思いながらノートを見せた。「ある事情で今は声を出す事が出来ません」と書いてあるノートを見た友達は、「あー、カラオケね。で喉を潰しちゃったのね()」と囁いた。(やっぱり失声症って思はないか。認知されてないんだなー)と思いながらその事実を誤魔化すかのように苦笑いして頷く私がそこにはいた・・・。


失声症で過ごした日々②に続く