闘病記、とでもしておきましょう。
大人になってふと思い出した時に、振り返られるように。
昨日、腎生検のための入院から帰り娑婆におりてきました。
どうせなら入院のことも書いておこう。
入院する前は、どうやってみんなに隠そうかとかばっかり考えていた。
前にも入院してたから、なんとなくわかってたから。
2014年7月14日(月)13B14D室へ。
直前になってすごく、怖かった。
お医者さんは信頼していた。
それでも自分の体に針を刺すなんて、よく考えれば恐ろしかった。
久しぶりに点滴を入れて、尿道に管なんか入れられて。
「わーお、病人だ!」ってちょっとテンション上がったのは内緒の話。
検査本番は火曜日の9時半から。
処置室でうつ伏せ。
伊藤先生と、平井先生と、看護師さんと、狭い部屋に他にもたくさんの人がいた。
体からはすでに点滴、尿カテーテルの管。
心電図のコードと血圧計もプラスされて、管だらけ。
準備中もそれからもずっとみんな指示を出したり、手術道具について話してた。
オフィスみたいだったよ、普通の。
痛かったのは筋肉注射。
もっと痛かったのは麻酔。
「これが一番痛いと思います」
ってもうアルコール消毒してから言うんだもん。
覚悟とかなんとか言う前に痛かった。
痛いって言ってたかもしれない、本当に痛かった。
それからは前日の練習通り呼吸を止めてエコー、パシャ。
もちろん麻酔効いてるから痛みは皆無。
けれど、刺さってるんだよね。
モニターに映る心電図の波と血圧の数字を眺めながら、涙が出てきた。
針が刺さりながら怖かったし、先生は大丈夫って言うから安心するし。
感情が抱えきれなくて、きっと涙になって出てきた。
何度も何度も血圧を測られた。
何度も何度も気分の良し悪しと痛みの有無を聞かれた。
毎回、看護師さんがわたしの左手に触れて、それでハッとした。
きっと途中から目をつぶっていたんだろう。
終わったときには処置室は静かだった。
周りの人も減った気がした。
あっという間に15分の圧迫が終わって、病室へ。
うつ伏せから仰向けにコロンとされてから、6時間の絶対安静。
夜はしっかり寝たはずなのに、すごく眠たかった。
ウトウトしながら5時間経って、最後の1時間は脚のしびれとの格闘だった。
やっと、終わったなと思った。
始まりの終わり。
残りの入院生活はたぶん2ちゃん読んで、さっこと美月と智香が来てくれて、生きた心地がしてた。
病院は死んでいる。
生きるために入るところだけど、空気は死んでいる。
病院で明るいのなんてトイレの明かりくらいだった。
いつ死ぬかもわからない人が集まるところ。
みんな何かが不安だから、負のエネルギーがぬぐいきれない。
ちょっとでも灰色なら、それが重なって黒く黒くなっていくのは明確。
看護師さんがみんな明るい理由がわかった。
看護師さんのこと、心の底から尊敬する。
あんな怖いところにいたらどうにかなっちゃいそうなのに。
ワガママな患者は注文ばかり、注射をすれば痛いと泣かれ、痴呆のおばあちゃんは部屋に戻らない。
それでも患者のために手を焼く。
「仕事ですから」ってできないよ。
きっと、あの処置係だった看護師さん。
1年目の看護師さん。
わたしが泣いてたことわかってた。
どうしていいかわからないって思ってるのも伝わってきた。
看護師さんは経験してないからわからない。
どれだけ痛いのか苦しいのか。
そういう思いをぶつけられることもあるはず。
人の気持ちをわからないまま動くのって、とっても難しい。
看護師さんはそれを乗り越える力をつけながらきっと成長していくんだなって。
来年から看護師の親友。
本当にがんばってくださいと、辛い時は支えになりますと、この場を借りて。
なんだか、脱線してしまった。
看護師には思うところがあるので、熱くなってしまった。
2014年7月19日(土)、わたしは娑婆に戻ってきました。
タバコを吸ったら、精神が落ち着いた気がします。
これから多分もう少し辛いかもしれないけど、がんばります。
誰か見ていたら、応援してください。
