翔くんと話したあの日から

私は

カズのことは忘れようって

心に決めた



ほんとはね

ずっと捨てられなくて残してあったの







写真も


もらったプレゼントも


避けていた10年間


何度も何度も何度も


幸せだったあの記憶を再生してた






だから些細なことも覚えてる



想いを伝えあったあの日も



初めてしたキスも




あなたが言ってくれた

“あいしてる”も








でも

もうさよならしないと




翔くんを


私は彼を裏切ることはできない


彼とならきっと幸せになれるの








だから


お願い


もう二度と私の前に現れないで












そう願ってるのに


神様は


いつも意地悪だ



そして


連絡先も結局消せない私も


どうしようもないバカだ







スマホの画面が光って

映し出されたのは






“もう一度会ってもらえないかな”











ダメだとわかっているのに



また