スプ-トニク通信によれば,5月22日(月)米バ-ジニア州選出の元上院議員リチャ-ド・ブラック氏は、「アルチョモフスク( ウクライナ名:バフム-ト)を解放したロシア軍は第二次世界大戦以降、欧州で最大となる戦闘を制した」と述べた。現在,ブラック氏が何をしているのか定かでないが,プ-チン大統領が笑顔で喜んでいることからしても,アルチョモフスク市が兵站補給上,重要な位置を占める町であることが分かる。しかし一度占領して放棄してまた解放(占領)したというから複雑な意思決定があったものと思われる。もし本当に重要であれば死守すべきだったのではないのか。そうはいっても現地には現地の考えがあり,素人である小生のような門外漢の出る幕ではないのだろう。

 他方で,Elenskyは欧州から始まってアラブ連盟を抜けてそして日本まで出かけて行ってアルチョモフスク陥落を知ったわけだが,彼と彼のウクイナ政府は今後どうするのであろうか。私はすで予言をして,Elenskyは本国に戻らずフロリダ・米国に亡命するのではないのか,と書いたが,かれは本国に戻ったのかしら。どうでもいいことだが,推測した以上結論ははっきりさせておくことは必要であろう。Elensky今何処(いまいずこ)?

 

 今後の課題は,ウクライナ分割がどうなるかである。

 緩衝地帯を設けるのかどうか。即時停戦という意見もあるが,アゾフ連隊の残虐行為を見れば,プ-チン氏でも誰でもアゾフを許すことはできないだろう。ただアングロサクソン族はアゾフを同衾と認めているので「誰でもアゾフの残虐性」を認めるというのは言い過ぎである。しかしこれから隣人にアゾフがいては夜もおちおち眠れないだろう。

 アゾフ一味はミンスク合意Ⅰ・Ⅱを破った。しかし破る前から鎖や鎌を議場に持ち込み反対議員に脅しをかけて法案を通させた。しかしながらその前に,合法的に選出されたウクライナ大統領を追い出した。ヤヌコビッチにすれば亡命せざるを得なかった。その様子をブログ『桜井ジャーナル』を詳しく描写している。なので,そちらを検索されたいが,マイダン革命それ自体が議会制民主主義を踏みにじる行為であった。

 マイダン革命で仮の大統領に選ばれたのがヤチュニュクであった。私は観たのだが,後にヤツが股間と首を抑えられて議長席から連れ出された映像もあった。それは脇においても,ロシヤ軍が国境を越えてウクライナの同胞を助けに向かったのは止むを得なかった面がある。西洋のTVや報道の中にはそのような事実をSNSなどに載せて後悔したがほとんどは圧力を受けて事実を捻じ曲げた。日本の,直ちに停戦を訴える「憂える歴史の会」などの努力もあるが,強く訴えないのは「俄か理解(関心)」だからである。元朝日新聞のウガ・ヒロ氏が指摘したように,日本の誰も(少数の人たちを除いて)ウクライナに注目していなかった。 

  

 アルチョモフスク市が解放されて,避難した市民が次第に戻ってくるだろうが,町は破壊されたままである。製鉄所があったアゾフタル市は徐々に復興しつつあるそうだ(マスコミに載らない海外記事)。そして捕虜となった,あるいは人間の盾に使われた人々が証言を開始している。アルチョモフスク市の解放リ後,ロシヤ軍はオデッサ方面に向かうのであろうか。ウクライナ東部・南部4州はクリミアを含めて国民投票によってすでにロリヤ領に併合された。西側ゴミ報道は無理やり併合されたと批判しているがその批判は当たらない。またメルケルはロシヤ軍が背後にいてクリミアを無理やり併合したと語ったが,それは言葉を弄んだ表現だ。米軍が日本に駐留しているように,クリミアのセバストポール港には契約によりロシヤ軍が駐留している。フランス軍とて契約によりパブア・ニューギニアにも駐留している。駐留費を出しているのは日本だけである。しかも米兵によるレイプ事件が起きているのは日本の沖縄だけといってもよい。契約をせず無理くり島民を追い出したのはイギリス軍である。あの劣化ウラン弾をウクライナ軍に提供したイギリス軍である。イギリス軍は海賊といってもいい。

 

結論:アングロ・サクソン族も縄文人の子孫も残虐行為が好きらしい。そこでウクライナを今後どうするかということを考えたとき,緩衝地帯は必要であろう。私の提案では,ロシア語話者が7割近く住む東南部6州はロシア併合を住民投票により帰属をきめる。もちろんルガンスク,ドンバス,ハリコフ,そしてクリミア州はロシヤ領とする。5月2日,過激派アゾフによる虐殺があったオデッサ州も住民投票をして帰属先を決める。そしてその後,250kmの範囲でこれらの州の緩衝地帯を設ける。それより北部,西部は中立地帯とする。つまり3つの地域に分割する。すなわち,

 (1)東・南部

 (2)緩衝地帯(非武装地帯,脱ネオ・ナチ地帯)

 (3)中立地帯(脱ネオ・ナチ地帯,国連軍駐留を認める)

 (4)少数民族地帯(脱ネオ・ナチ地帯,自治警察をもつ地帯)

とする。

 なお,IMFや世界銀行に金を借りているウクライナ政府。借金はチャラとする。つまりゼレンスキー政権は辞職。新たなウクライナ国家を建設するか,ヤヌコビッチ政権を取り戻すか。フランスのド・ゴ-ル将軍がイギリスに亡命していたがドイツ軍が負けた後,フランスに戻った故事に習って,ロシヤから戻ったヤヌコビッチに復職させる。非合法な政権に出資した世界銀行などの責任を追及したり,前任者たちに支払いを求めることも可能である。

 

 ロシヤの特別軍事作戦の目的はウクライナの①脱軍事化であり,②脱ネオナチ化であった。NATOやアメリカ軍はウクライナ代理戦争を10年も20年もやり続けると言われている。それは英米の勝手だが,ロシヤ合同軍がウクライナ全土を解放して軍政を敷く可能性に期待したい。但し,軍政においては,すでに指摘したようにロシヤの特別軍事作戦の目的達成-早期達成-が期待される。そしてベラル-シやSCO各国が新ウクライナ国を承認することが要求されている。


    
 

 

追記:以下はマイダン革命以前からウクライナ問題を研究されている植草一秀教授の一文である。参考になるように併記させていただきたい。ただ,人口比と国の数比とを同列にするのは比較としては好ましくないが,西側7国が「国際社会」と自称している以上,同列は止むを得ない。但し,G7の「国際社会」という言葉は,中国新疆の人権問題批判に始まる。北京政府は新疆ウィグル自治区の人権侵害批判に対して,各国の外交官やジャーナリストを新疆に招待し,強制収容所の存在を確かめさせたことがある。結果は2:8で新疆に強制収容所はないというのが結論であった。

 私は最初300万人が強制収容所に入れられているというBBCやブル-ムバ-グのニュ-ズを半信半疑で眺めていたが,私的旅行で烏魯木斉に行ったがその途中でBBCやBlgが主張していた強制収容所があるという上空を飛んだ。眼下に収容所はなく,美しい風景(頁岩の岩肌)がそこにはあった。Google mapで見てもなかった。なのでBBCらが嘘を吐いていることが分かった。つまり2:8の割合において西側が「2」を「国際社会」と呼び始めたときから「国際社会」という言葉が使われ始めたと言えよう。いかにも大勢を意味するかのような誇張表現であった。

 

2023年5月23日 (月)

歴史上最低最悪のサミット

国連に加盟する国の多くがロシア非難決議に賛成した。

昨年3月2日の国連総会緊急特別会合が

「ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議」

を採択。

賛成した国は193ヵ国中の141ヵ国、賛成に回らなかった国は52ヵ国。

圧倒的多数が非難決議に賛成したように見えるが、それぞれの国の人口を合計すると、

賛成国が42%、非賛成国が58%だった。

G20で対ロシア経済制裁に加わっている国は10ヵ国(EUを1ヵ国として)。

経済制裁を実施していない国も10ヵ国。

しかし、人口比では制裁参加国が19%、制裁非参加国が81%(EUを人口最多国スペインの人口で計算)。

欧米の主張は世界の声でない。

欧米の声に過ぎない。

NATOという軍事同盟がある。

欧米とはNATOのこと。

1989年に冷戦が終焉し、その後、東西ドイツが統一された。

このとき、米国はNATOを1インチたりとも東に拡張しないことをソ連に確約した。

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NATOの東方拡大はロシアにとっての軍事的脅威。

ロシアに隣接する国がロシアに向けて核弾頭を配備することはロシアの安全保障を脅かすもの。

かつてソ連がキューバにミサイルを配備しようとした。

これに猛烈な反応を示したのが米国である。

キューバへのミサイル配備は米国の喉元に匕首を突き付けるものだと批判した。

米国が核戦争を辞さない姿勢を示した。

いわゆる「キューバ危機」だ。

米国に隣接する国にミサイルが配備される。

これは米国の安全保障上の重大な危機を意味する。

結局ミサイル配備は中止され、米ソ核戦争の危機は回避された。

NATO東方拡大、ウクライナのNATO加盟、ウクライナへのミサイル配備は「キューバ危機」と同等の意味を有する。

冷戦終結を背景にソ連は東側の軍事同盟である「ワルシャワ条約機構」を解体した。

西側がNATOを解体することを前提としたソ連の対応だった。

ところが、米国はソ連との約束を破った。

NATOは膨張に次ぐ膨張を重ね、当時の16ヵ国体制が現在は31ヵ国体制に変化した。

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「安全保障の不可分性」という確立された公理がある。

他国の安全保障を犠牲にして自国の安全保障戦争を追求してはならないというもの。

NATOの東方拡大は「安全保障の不可分性」原則に反するもの。

2022年のロシアによる特別軍事作戦は2014年のウクライナ政権転覆後に勃発したウクライナ内戦の延長線上に位置付けられる。

紛争の解決に武力を用いた点でロシアの対応は批判されるべきものだが、

ウクライナで内戦があり、

内戦を収束するための国際法であるミンスク合意をウクライナ政府が踏みにじってきたこと、

ウクライナ東部2地域が国家独立を宣言し、その独立国がロシアに対して集団的安全保障上の要請を行い、ロシアが軍事作戦を展開したということになると、国際法上の説明が成り立つ面がある。

世界の趨勢が2つの共和国を独立国家として承認していないという事情は存在するが、2014年に暴力革命で樹立されたウクライナ政府は、元来、独立国家として承認されるべきものでなかった。

ウクライナ東部2共和国とウクライナの位置付けは類似したものである。

暴力革命により非合法政府を樹立したのは米国であり、その米国がウクライナ新政府を勝手に承認しただけのことである。

ウクライナ内戦を収束するための国際法であるミンスク合意の履行状況を検証することから始めなければウクライナ戦乱を解決することはできない。

G7は戦乱終結に向けての尽力を示すべきだったが、現実にはウクライナが兵器乞いに参上し、G7が戦争拡大、長期化のための武器支援を行うことだけを決めて終了した。

西側軍事同盟の戦争推進の決起集会に終わってしまった。

歴史上、最悪、最低のサミットに終わったというのが適正な評価である。