コミュニケーター

 

叔父さんに、私は何の研究をしているのかと聞かれた。

この質問は大学でもいろいろな人からよくされる。

でも、大学の同じセミナーの人に答えるのと、同じ大学でも文系の人に答えるのと、

それから叔父さんみたいな研究職でない人に答えるのと、中高生、そして小学生に答えるのとでは

絶対に答え方が変わってくるはずだ。

何が私の答えを変えさせるか、というと、相手がどのくらいの知識を持っている人か、という見極めだ。

これを誤ると、私が何やってるのか相手にとってはさっぱりわからなかったり、逆に物足りない、ということになる。

つまり、相手はどの程度の答えを期待しているのか、というのを見極める必要がある。

こうやって、相手の持つ知識の量、範囲をできるだけ的確に見抜いて、

それに応じてアウトプットの仕方を臨機応変に変えられる、という知性は

良いコミュニケーターとして大変重要だと思う。

 

また、私たちが日ごろやっている研究というのは世間から見たら

「…へえ、そうなんだ、それはよかったですね…」

で終わってしまうようなものであることが多い。

それがいかに自分たちにとっては重要な発見であっても、

みながそう思うとは限らなくて、とくに他分野の人から見たらなおさら、

「…ふうん。」で終わってしまいかねない。

ここで、皆に言ってもどうせわかってもらえないから、と伝える努力を放棄してしまったら

何も進展しない。

だからといって、わかったこと、研究成果をそのまんまの形で提示しても、

面白がってくれる人なんて一人いればいい方だ。

ここで、伝える工夫が必要になってくる。

周りの人は、どんなことに興味をもってるのかな?

どう見せたらおもしろく見えるかな?

と、とことん見る人の立場に立って考えることが必要だ。

当事者と、見る側、聞く側のギャップを少なくすること。もしくはbridgingをすること。

これも、良いコミュニケーターとして重要なことだ。