人を動かす芸術 | 斎藤社労士事務所

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代表のシャイとうさんが興味あることを記録しています。

岩ちゃんから頻繁にかかってくる電話は

大学に入学してからとても役立ちしました。

 

僕は、大学に入学してからの1年間は、あまり勉強しないでゆっくりしようと思っていました。

大学はのんびりしていて、自分で何かやろうと行動を起こさないと

適当に単位を取得して、ぼーっと4年間を過ごすことになります。

 

僕は、せっかく大学に入学したのだから読書にチャレンジしようと思いました。

それまでは読書をした記憶がありません!

 

文字が読めなかったので!

 

大学の図書館に初めて行ったときに三島由紀夫の「金閣寺」が目に入りました。

三島由紀夫って確か、岩ちゃんが言っていた、すごい人だったような気がする。。。

でも「金閣寺」はページが多くて読めないだろうと思い

金閣寺の横にあった「潮騒」を借りて帰りました。

 

これが僕の文学作品との出会いです。

 

岩ちゃんから聞いていた三島由紀夫という名前。

それがきっかけで何となく借りてきた「潮騒」が

僕が自主的に初めて読んだ文学作品だと思います。

 

「潮騒」はとても素晴らしい本でした。

描かれている情景、主人公の恋愛観など鮮やかによみがえります。

この本が、僕に文学の楽しさを教えてくれました。

 

潮騒をきっかけに僕は、文学作品をかなり読みました。

谷崎潤一郎「痴人の愛」、石川達三「青春の蹉跌」は

大学生なら必ず読んでもらいたい小説です。

 

他にも、島崎藤村「破戒」、武者小路実篤「友情」、芥川龍之介「羅生門」

大江健三郎「飼育」、太宰治「人間失格」など挙げたらきりがありません。

 

最近の小説家よりも、近代の純文学と言われるものを多く読んでいました。

 

文学は文字を通した想像力と、

生きている痛みなどを共有できる素晴らしい芸術だと思います。

 

例えば、太宰治がどうして評価されるのか、いまではとても分かります。

太宰治の世界は、同じ問題で悩んでいる人は自分だけじゃないんだと共感できるのです。

太宰治の本を読むと、それまで悩んでいたことが、もう悩みではなくなっていることがあります。

悩みを知り合いに打ち明けたら、それだけで楽になって、もう元気になっている。

そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。

そうした同じ悩みの共感度が太宰治はすごいんです。

 

文学作品には人を鼓舞する力、勇気を与える力があると思います。

そうした文学作品を読める力が、学力の基礎なのですが

勉強を始める以前の僕にはまったくありませんでした。

 

だから他人のことなんて考えたことなかったし

自分の好き勝手に生きて、周りに迷惑をかけてきたと思います。

 

人が人として生きていくための基礎を

僕は、受験を通して作れたことが、いまの仕事でもともて役立っています。

 

 

つづく