新型コロナウイルス感染症を事由とするセーフティネット融資申請が令和2年12月1日まで再延長されました。セーフティネット保証4号は基準月の売上が前年同月比-20%、同5号は-5%、危機関連保証は-15%以下であることが求められます。今回の再延長で今年11月基準までの申請が可能になりましたので、中小企業者の皆様は対前年同月比の推移を見ながら適切なタイミングで申請されることをお勧めします。

●セーフティネット融資とは、突発的事由により経営の安定に支障を生じている中小企業者(中小企業および個人事業主)の方に、全国の信用保証協会が提供する信用枠を使って民間の金融機関が融資できるようにし、中小企業者の方の安定的な資金調達と事業運営をサポートする制度です。
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.htm
【概要】
・信用保証協会とは信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)に基づき、中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。
・「新型コロナウイルス感染症」は「突発的事由」に該当すると国が指定しており、信用保証協会の通常の保証限度額とは別枠で借入債務の100%(4号認定の場合、5号認定は80%)が保証され、無担保で融資を受けることができます。(当初3年間は)利息が補填されるので実質無利子です。
・セーフティネット融資には対前年同月比で20%以上の減収を要件とする「4号認定」と、対前年同月比で5%以上の減収を要件とする「5号認定」があります。従来「5号認定」を申請できる対象業種は日本標準産業分類の「細分類」の738業種に指定された特定業種に限られていましたが、現在はほぼ全ての業種(1145業種)で利用できるようになりました。
→ 「5号認定」は対前年同月5%の減収で申請できますが、保証枠は80%であることに注意が必要です。
・複数の民間金融機関から融資を受けるなどの目的で「4号認定」と「5号認定」を両方申請することは可能ですが、それにより信用保証協会の全体の信用枠が増える訳ではありません。
【申請方法】
1.まず市区町村の経営融資相談関連窓口に行き、区市町村が指定する書式の「認定申請書」を書きます(HPでダウンロードできる場合も多い)。
2.申請に必要な書類は、今年の6月もしくは7月の売上実績を証明する損益計算書あるいは売上台帳、および昨年同月の売上実績の証明(法人の場合は決算報告書の月次明細概況、個人事業主の場合は昨年の青色申告書の1ページ目と月別収入のページ)、法人の全部事項証明書(個人事業主の場合は住民票と開業届)、本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)が必要になります。
3.基準月の後の2か月間の売上見込み(6月売上基準であれば7月と8月の売上見込み、7月売上基準であれば8月と9月の売上見込み)を対前年実績と比較した減少率の数字も求められます。あくまで「見込み」ですので売上台帳のような得意先別の明細までは要りませんが、代表者の署名と会社の登記印をいれた資料を用意する必要があります。
※ここに注意! → 対前年の売上実績を計算する際、決算報告書が税抜き方式で書かれている場合は、今年の基準月の売上実績(および2か月先までの見通し)も税抜きで比較しなければならない(消費税分の10%を割り戻して前年同月実績と比較する)点に要注意です。
4.「昨年の途中で開業したので対前年同月の数字がない」、あるいは「店舗数や従業員数を増やしたので対前年同月では減収していないが、今年2月3月よりは減収しておりコロナの影響を受けている」という場合は、昨年12月を基準に計算しても良いという特例があります。後者の場合は店舗別の内訳や人件費の内訳が分かる資料が必要です。
5.区市町村が発行したセーフティネットの認定書を持って民間金融機関(銀行、信用金庫など)に融資の申し込みに行きます。実際にどれだけの融資が受けられるかは金融機関が前年の年商をベースに判断します。セーフティネット融資はどの金融機関でも扱っていますので、満足な融資が受けられなかった場合は別の金融機関に相談してみるのも手です。
6.メインの取引先金融機関がすでに決まっている場合は、金融機関の担当者の方に相談して書類一式を預ければ金融機関の方が区市町村の認定書をもらってきてくれる場合もあります。

●セーフティネットと類似の制度に危機関連保証(いわゆる6項)があります
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_crisis.htm
・「新型コロナウィルス感染症」は危機関連保証の対象になりますので、「売上が前年同月比15%減」が要件であることと、保証料率が0.8%かかる点を除けばセーフティネット融資とほとんど変わりません。
・セーフティネット4号、5号と同時に申請することも可能ですが、それによって日本保証協会の信用枠が増えるという訳ではありません。
ご相談は中小企業診断士・高尾将嘉(070-5554-0990)まで
(図は経済産業省HPより引用)
