
受験情報を見聞きする中で、時折話題になるのが「生まれ月と中学受験の有利・不利」というテーマです。
4月〜6月生まれを「学年の中でも月齢が高い」として有利、1月〜3月生まれを「早生まれで不利」と捉える考え方ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
わが子の受験を通じて、様々な情報に触れた私自身の視点から、このデリケートな問題について考えてみたいと思います。
統計データが示す「生まれ月」の傾向とは?📊
まず、実際に難関校の合格者をデータで見ると、特定期間の生まれの子の割合が少ないという傾向を示す調査は存在します。
例えば、灘などの最難関校のデータでは、合格者に占める特定の生まれ月の子どもの割合が、平均値よりも低いという結果が出ています。また、別の研究データでは、生まれ月によって偏差値に2〜3程度の差が生じる可能性があるとも言われています。
これは、受験勉強を始める低学年時に、月齢の差が知識の吸収や思考力の発達の差として現れやすいためだと考えられています。この2〜3の偏差値の差が、受験の時期には喉から手が出るほど欲しい差であることは、伴走中の親として痛いほどよくわかりますよね。🥲
しかし、子どもの周りを見渡して見ると塾の戦績は、早生まれの子どもが上位を占めているので、個人差は充分にあるのではと思います。
しかし、その子達が生まれた月により下の学年にいったと仮定するとどうなっていたのでしょうか?無双状態になっていたのでしょうか?
もう一度、6年生ができると思うと圧倒的に有利ではないでしょうか?大学受験の時に浪人になるよりも有利な気がします。
しかしそれは、カリキュラムを1年早くやっている有利性の部分もあるかもしれません。浜学園では、飛び級制度があると聞きますし、カリキュラムを早く行う有利性は明らかだと考えます。
生まれ月だけでは決められない!中学受験を「回避すべきではない」理由💡
統計的な傾向があるのは事実ですが、私は生まれ月だけで中学受験の是非を決めるべきではないと考えています。
その子の人生の選択肢として「中学受験」を考える上で、生まれ月はあくまで一つの小さなファクターに過ぎないからです。
重要なのは、お子様が持っている以下の点です。
- 持って生まれた資質と個人差生まれ月よりも、その子の学習への適性、性格、そして成長スピードといった個人差の方が、圧倒的に結果を左右します。
- 脳の発達が「間に合うか」中学受験で成績がぐっと伸びるタイミングは、俗にいう「点と点が線に繋がる」時です。これは、単に知識が定着しただけでなく、脳自体が発達し、抽象的な概念を扱えるようになった影響も大きいと考えています。この脳の発達は、身長が伸びるのと同じようにS字カーブを描き、そのタイミングは本当に人それぞれです。受験本番までに「その時」が来るか否かは、やってみないとわからないのが実情なのです。
- 入学後の大きな「伸びしろ」もし、受験本番までに「点と点が繋がる」タイミングが間に合わず、ポテンシャルよりも少し下の学校に進学することになったとしても、それは決してマイナスではありません。むしろ、受験時に同じくらいの学力で輪切りにされた集団の中で、より多くの伸びしろを残した状態でスタートを切ることになります。これは、中高6年間を通して自己肯定感を高めながら成長できるという、大きなアドバンテージになりえます。
親の言葉がけが持つ影響力📢
統計データや研究結果があるとはいえ、親として最も気をつけたいのは、生まれ月を理由にしたネガティブな言葉がけです。
- 「(うちの子は不利な生まれ月だから)今はできなくても仕方ない」
- 「(月齢が高い子に)追いつくために、もっと頑張らないと」
こうした言葉は、お子様に「生まれ月によって自分は能力が低い」という呪いの言葉として捉えられ、人格形成に悪影響を及ぼす可能性があります。
親がすべきは、お子様の生まれ月を気に病むことではなく、目の前のお子様の発達段階と学習適性に応じた伴走をしてあげることです。
生まれ月は変えられませんが、お子様の個性と可能性を信じてサポートすることで、統計上の傾向など跳ね返せるほどの成長を遂げてくれるはずです。一緒に前を向いて頑張りましょう!🙏