「うちは出産は扱ってないから、次は産科のある病院に行ってくださいね。」
診察室に戻った後、先生から一通り説明と注意事項を受けたあとに、
そう伝えられました。
私はそこで、今回あえて婦人科を選んだ理由のひとつでもある、
ある質問を投げかけることに。
「先生、私ここに引っ越して来たばかりで、地元の病院事情とか全然わからないんです。
おすすめの病院とか、患者さんの評判がいいところってご存じないですか?」
そう、今回あえて婦人科を選んだもう一つの理由は、地元の産科事情を
“直接プロに聞けるかも”という期待があったから。
というのも、正直ネットの口コミはどこまで信じていいのか分からないし、
頼れる先輩ママさんの知り合いもいない。
実家は少し離れた場所にあるので、そっちの産院事情とはまた違うし、
私の母は持病の関係で大学病院で出産していたため、それもあまり参考にならず…。
どうにか公平な視点からの情報が入手できないか。そう考える中で、
(先生やスタッフさんなら、患者さんの話を聞く中で、何かおすすめの病院とか
知ってるんじゃないかな)
なんて、淡い期待を抱いていたのですが…
「ああ、そういうのはうちではまったく把握してないんですよ。
後で受付からこのあたりの産科リストをお渡しするので、その中からご自身で調べて予約してくださいね。
」
――とあっさり終了。
真面目な口調で淡々とそう言われて、私は「…あ、はい」と小さく返すことしかできず、
診察はあっけなく終了しました。
(何かいい情報がもらえるかもと思ったけど、収穫ゼロかぁ…)
がっかりしつつ会計を済ませようとしていると、受付の方が声をかけてくれました。
「妊娠おめでとうございます。あの、全部の病院を知ってるわけじゃないんですけど…
私はこのA病院で3人産んだんです。とってもよかったですよ。」
そう言って、リストの中にあるA病院のサポート体制や、注意したほうがいいことなど、
実体験をもとに丁寧に教えてくれたんです。
(なんと…神はまだ私を見捨てていなかった…!!)
右も左も分からない状況の中で、こういった温かい言葉って本当に沁みる。![]()
思わず涙が出そうになりながら、何度もお礼を伝えて病院を後にしました。
次話:▶「話し合いの中で見えた、夫のやさしさと包容力」
【ここだけの話】
あんまり年齢の話をするのもアレなんですが、歳を重ねるごとに、
こういう“ちょっとした優しさ”に涙腺が緩むスピード、確実に早くなってませんか…?![]()