【教員研修シリーズ:SNS不祥事防止と服務規程】
「法に無知な教員」が自らの首を絞める時代を終わらせるために。
本シリーズは、現場を愛する元教員の視点から、「法規」と「実例」を突きつけ、教員が絶対に踏み越えてはならない一線を徹底解説します。自分自身と、大切な教え子を守るための「盾」として、この研修内容を心に刻んでください。
第19回:地方公務員法 第33条〜SNSでの暴言・誹謗中傷と「品位」の維持〜
1. 根拠法規:地方公務員法 第33条(信用失墜行為の禁止)
この条文は、公務員の「私生活」にも牙をむきます。職務中だけでなく、24時間365日、教員はその立場にふさわしい品位を求められます。
地方公務員法 第三十三条
職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
≫ 地方公務員法(e-Gov)参照
※SNSで特定の保護者や同僚、行政を激しく罵倒する行為は、「教員全体の不名誉」とみなされ、懲戒処分の対象となります。
2. 事例研修:匿名の壁を越えてくる「開示請求」の刃
「鍵垢(非公開設定)だから」「匿名だから」という安心感は、現代の法律の前では通用しません。
- 【情報開示の現実】 特定の個人を攻撃する投稿に対し、相手がプロバイダ責任制限法に基づき開示請求を行えば、氏名・住所は暴かれます。教員であることが判明した瞬間に、職を失うリスクが生じます。
- 【愚痴のつもりが「公然」に】 「今日の保護者、マジでうざい」といった何気ない投稿も、生徒や保護者の目に触れれば一気に拡散されます。信頼関係は一瞬で崩壊し、学校の運営を妨げたとして「業務妨害」に近い評価を受けることもあります。
- 【処分の重さ】 過去の事例では、SNSでの差別的発言や度重なる誹謗中傷により、停職や減給、さらには依願退職(事実上の更迭)に追い込まれた教員が少なくありません。
3. 現場への提言:情報をうのみにせず「怒り」を正しく処理する
教員も人間です。理不尽な要求に怒りを感じ、誰かに愚痴をこぼしたくなるのは、生存本能とも言えるでしょう。
しかし、SNSという全世界に繋がった広場でその感情をぶちまけることは、結果としてあなたを慕ってくれる生徒たちを絶望させます。「先生、裏では私たちのことをあんな風に思っていたの?」という疑念は、一度生まれたら二度と消えません。
不祥事を起こした教員が社会から袋叩きに遭う際、その人格すべてを否定するような攻撃は、やはり人権的な配慮を欠いたものです。しかし、**「自らが投げた石は、いつか自分に返ってくる」**のもまたデジタルの真理です。生徒に「正しい言葉遣い」や「相手を尊重する心」を教える立場の人間として、まずは自分自身が法規と品位という名の防壁を築かなければなりません。