私が好きな短歌をただただ綴り語る「短歌綴り」。

 

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今回紹介する歌は山上憶良の:

 

世の中を 

憂しとやさしと 

思へども 

 

飛び立ちかねつ 

鳥にしあらねば

 

になります!

 

万葉集にも載っているこの歌、知っている人も多いのではないのでしょうか?

山上憶良は家族愛で有名な歌が多いですがこれは彼の苦悩や人間の苦悩を歌ったものになります。

私は個人的にこの歌がすごく好きで、第四十八回にして一番好きな歌を紹介できて嬉しいです >> 私の「万葉秀歌」ですね♪

今回は『世の中を』を掘り下げていきたいと思います!

 

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まずは歌の意味を部分部分で見ていきましょう。

 

原文   ー 現代語訳

世の中を ー 世の中を

憂しと  ー 辛いと

やさしと ー (恥し)耐えがたく肩身が狭い

思へども ー 思っても

飛び立ち ー 飛び立つことは

かねつ  ー できない

鳥にしあらねば ー 鳥ではないのだから(「ねば」=でないから)

 

つまり、現代語訳は:

世の中を辛いと耐え難いと思っても、飛び立つことはできない。

鳥ではないのだから。

となります!

 

人生を生きていれば誰もが経験する「逃げたい気持ち」を捉えた歌ですね。現代にも共通するところが、奈良時代の人と繋がっている気がして好きです。

 

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ここからは理解を深めるためこの歌の作者や時代背景、歴史について深掘りしていきましょう。

 

作者:

この歌を書いたのは奈良時代を代表する歌人の一人、山上憶良です!

奈良時代の初期を生きた貴族で、文武天皇から聖武天皇の在位中に主に遣唐使や今でいう公務員(官人)として活躍した人です。

歌に長けていたと言われていて、七十八首もの歌が万葉集に記載されるなど奈良時代当時から人気歌人だったそう。彼は「社会派歌人」とされ、当時は珍しかった弱者を思いやったり社会の矛盾を考察するような歌を多く残しています。感情描写に長けているため、感情と意図が伝わりやすく心を打つ歌が多いです。

 

歌の背景:

万葉集五巻八九三首目の雑歌として取り扱われているこの歌は、憶良が当時の農民の視点に立ち詠ったものとされています。農民の苦悩や役人に縛られる窮屈感、自由の制限を人間の永遠の夢である空を飛ぶこととかけているところが憶良の才能を感じますよね。

この歌は憶良の同情できる力とその気持ちを心に届く言葉で表現できることが珍しさと合わさり評価されるようになったのだと思います。

 

心情や意図:

憶良のこの歌を書いた意図や時期ははわかっていませんが、憶良が官人として働いていた時に農民に同情し書いたものではないでしょうか。

 

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おすすめポイント📌 :憶良の性格が見える背景!

 

この歌がおすすめな理由です。個人の見解ですが、似たように感動を覚えた人がいるといいなと思います。

憶良の同情心からできたこの歌、私は初めてこの歌を読んだ時、シンプルに「生まれた時からの変えられない運命をよく捉えた歌だな」と感じました。でも背景を知った時、官人だった憶良の農民の理解の深さに感動しました。元々身分の高い人がこのような同情心を知るのは難しいことです。官人として民に寄り添いちゃんと交流を持ったからできた歌だと思います。その志が公務員として人として尊敬され見本とされるべきだと思ったから大伴家持は万葉集にこの歌は必要だと思ったのでしょう。模範ですね〜 昔も今も大事な哲学は変わらないことを表していて素敵です。

 

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「世の中」いかがでしたでしょうか。管理人としてはこの歌を通じて山上憶良の良いところをもっと知っていただけることを願っています。現代の政治家も憶良のような志や人間らしさを出してほしいなと思います。過去から学べることは多いですからね。

 

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第四十八回目の「短歌綴り」は山上憶良の「世の中を 憂しとやさしと 思いども」を取り上げました。

次回もお楽しみに!

 

-+*_  文

 

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文献

 

 

https://manapedia.jp/text/2171