【2024礼拝メッセージ】2024.4.27(SUN)マルコによる福音書⑩【弟子を任命する】 


 『13イエスが山に登って、これと思う人々を呼び寄せられると、彼らはそばに集まって来た。 14そこで、十二人を任命し、使徒と名付けられた。彼らを自分のそばに置くため、また、派遣して宣教させ、 15悪霊を追い出す権能を持たせるためであった。 16こうして十二人を任命された。シモンにはペトロという名を付けられた。 17ゼベダイの子ヤコブとヤコブの兄弟ヨハネ、この二人にはボアネルゲス、すなわち、「雷の子ら」という名を付けられた。 18アンデレ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、タダイ、熱心党のシモン、 19それに、イスカリオテのユダ。このユダがイエスを裏切ったのである。』(マルコによる福音書3章13-19節)  


 福音宣教の拡大に伴い、今後それを担っていくべきお弟子さんが必要でした。イエス様はご自分で選ばれた12人の使徒たちと共に山に登りました。そして彼らに特別な使命を任命されます。12人という数にも意味があるかと思いますが、その人選のユニークなことに驚かせられます。 イエス様は、彼らを「そばに置き」共に過ごすことで訓練しました。イエス様と共に時間を過ごすことで彼らがイエス様を知るようにします。 次に遣わされて、宣教をするということです。 教会は教会、世の中は世の中というように分けて考えるのではなく、その場に置かれている、派遣されているという自覚は大切です。 そして三つ目に悪霊を追い出す権威を持たされました。イエス様の御名によって働く霊的な力が与えられました。イエス様の言葉の力を証することです。  呼び集められた12人は個性豊かなメンバーです。二組の漁師の兄弟がいます。彼らは、ライバル心むき出しで、イエス様の働きの真っ只中で、誰が一番偉いかを言い合っていました。  政治的には強烈なユダヤ主義のシモンがいるかと思えばローマに仕えて利を得ていたマタイがいます。 また、彼らは必ずしも一般的に優れていた人物達ではありませんでした。 そんな12人がキリストの受難と復活の証人となるために選ばれました。教会もまた、様々な人々の集まりです。成長の段階では様々なぶつかり合いや人々の葛藤があるはずです。しかし、イエス様を主と仰ぎ聖書の言葉を共通理解として一体となっていくのです。  この弟子達は「イエス様が望まれて任命された」ことは、重要なポイントです。それは、人の意思ではないということです。そして彼らを身近に置き実戦的な訓練をされました。私達がクリスチャンとして成長するたった一つの秘訣はイエス様の側にいるということです。さらに「悪霊を追い出す権威を与えられた」と書かれています。この権威は、上に立ち支配するものではありません。人々を支配し不幸にしようとする悪の力を追い出す権威です。聖書は上に立つものは人に従う者となりなさいと、むしろ自らを従うものとして生きることを示しています。あの、個性的でそれぞれに野心をもった弟子達が、三年半の訓練の後キリストの十字架と復活の出来事を通し、真のキリストの弟子として、従うものとして勇敢に生きていきます。そうして拡大されていった福音宣教は、時代越えて私達のところへも届いてきたのです。


ニューライフチャーチ清瀬

牧師 福井和哉