【かぬれ君に聞いてみた：うなぎのかば焼き】

　ようやく梅雨も明け、夏の扉が開いた休日の午後、リビングのソファーでくつろいでいると、カーテンをなびかせながら、大きく開いた窓から、からさわやかなそよ風が吹いて心地よい時間を楽しんでいると、眠そうな目をしたかぬれ君が大きなあくびをしながら猫の様に伸びをしておりました。

　やっと起きたかぬれ君のお皿に朝のカリカリを入れてあげると、うまそうに食べ、食後のお水を少し飲み終わると、かぬれ君の1日が始まります。

　「ねえ主人、７月24日は、土用の丑の日なので、うなぎのかば焼きが食べたいにゃん！」とワンコのくせに猫耳女子の様におねだりしてきました。

　「うなぎのかば焼きは、油も多く味も濃いので、ワンコの身体には、毒だからダメ！」と厳しい口調で叱ったら、目をウルウルさせてウソ泣きの技を披露しています。

　「それはそうと、ご主人はうなぎの歴史について知っているのかえ？」とどや顔で話し始めました。

　日本におけるうなぎの歴史は、約5000年前の縄文時代までさかのぼり、縄文時代から食べられていた形跡が数か所の貝塚から、発掘されており、文献では「万葉集」にもうなぎを食べていたとわかる歌集が残されている事からもうなぎを昔から食べていたという事がわかりるのだよ！ワトソン君！

　うなぎを食べるという歴史は縄文時代からですが、本格的にうなぎが定着したのは江戸時代に入ってからで、徳川家康が江戸の発展を目指して開発を進めていた際に、干拓によってできた湿地にうなぎが住みつくようになったことから、うなぎは労働者の食べ物へと定着していきました。

　ヨーロッパでは紀元前431年からすでにうなぎが食べ物として食されていた様で古代ローマではうなぎを背開きにし、魚醤とはちみつを混ぜたタレを塗りながら炭火で焼き、胡椒をふりかけて食べており、当時から高価な食べ物としていたようです。

　日本で、うなぎが蒲焼として食べられるようになったのは、1399年の室町時代からで、うなぎを筒切りにして串にさし焼いており、その姿が「蒲の穂」に似ていたことから蒲焼とよばれ、本格的に蒲焼が定着し始めたのは江戸時代からで、うな重に負けないほどの人気があるのがうな丼で、どんぶりご飯の熱で蒸されることで、より鰻が柔らかく、美味しいと人気があります。

　次に人気なのが「ひつまぶし」で、全国地域で食べられており、発祥は愛知県名古屋市からで、木のお櫃（ひつ）に入れられていることと、まぶし（混ぜ）て食べることから、ひつまぶしという名前が付いたのだと言われています。

　明治6年に懐石料理のだし汁をかけて細かくきざんだうなぎご飯の料理をだしたところ好評だったため、ひつまぶしという料理が誕生しました。

　福岡では、「うなぎのせいろ蒸し」があり、味ご飯を。お重に入れた後、ウナギのかば焼きをのせて、せいろで蒸したもので、とても身が柔らかく、私の一番のお気に入りです。

以来日本全国で人気なウナギ料理として多くの人々に食べられています。

　うなぎは日本では縄文時代から食べられていた形跡もあり、はるか昔から食べ物として認知されており、また海外でも古くから食文化があったとの事で、人々にとって身近な存在であるといえるでしょう。

　またうなぎはただ食べるだけではなく、「かば焼き」や「うな丼」、「ひつまぶし」、「せいろ蒸し」など様々な調理方法でより美味しく食べられるようになったことも日本人ならではの発想柔軟な発想です。

　こんな歴史を知ると、より一層おいしく感じる事が出来るであろう？

「お礼に、あとでモンデールのシュークリームを献上してくれも良いのだよ！」と、な斜め上目線のどや顔でおねだりする、かぬれ君を抱きかかえていると、休日の午後が、ゆっくりと過ぎてゆくのでした。

　日も暮れて、少し涼しくなったので、夕食の買い出しついでに、先程、かぬれ君にリクエストされた、モンデールのシュークリームでも買い、自分様にチョコモナかジャンボも追加しようと思いまます。

#今日の飯テロ【かぬれ君に聞いてみた：うなぎのかば焼き】