【柔道部物語：新入生】

　無事に入学手続きも終了し、4月から１年遅れの大学生となる事が出来ますが、柔道部入部の為、3月上旬に入学準備の為、全国各地から新入生（12名）が体育寮に集められました。

　新入生は、入学式までの間、研修期間で２年生と一緒に行動を共にして、１年生の仕事や寮生活など諸々の事を教えてもらいます。

　寮での下級生の雑務は、稽古以外でも沢山あり大変忙しいい生活です。

　起床（6:00）から朝トレに始まり、寮の掃除後に朝食（8:00～9:00）、午前の稽古（10:00～12:00）、昼食、道場の掃除（16:00～）、夕方の稽古（17:00～19:30）その後、各部屋の掃除、夕食当番、お風当番、上級生達の洗濯等、雑務を交代で行い雑務の合間に、食事をし、2年生による勉強会（21:00～）点呼（22:00）後、飲み会や夜食の買い出しなどの他にも雑務があり、深夜まで休む暇もなく仕事が山積みです。（24時間働けますか？古いね！）

　特に「押忍の精神」・「校歌」・「柔道部数え歌」「応援歌＆踊り」など様々な事を教わり、いつ何時、OBなどからリクエストがあった時に、即座に出来る様教え込まれます。

（伝統という変な風習ですね）

　研修期間中は、新入生という名のお客様なので、2年生が一緒に雑務を行い、上級生（3・4年生）達も、とてもやさしくしてくれておりました。

　自分が入学した時は、12名の新入生がおりましたので、雑務も交代で行い、人数の少ない学年より、幾分か楽に思えましたが、部活未経験者の自分にとっては、とても厳しく、まるで修行僧になったような気分でした。

　昔は、新入生が毎年、数十人入部しますが、あまりの厳しさに、３か月程で次々と退部（逃げる）して、数名しか残らないようでしたので、幾分ましになった様です。

　朝起きて、今までの人生が全部夢で、１年生に逆戻りしたら、その場で荷物をまとめて、速攻で逃げ出している事でしょう。

　入学式までの間は、新入生（お客さん）ですが、入学式から寮に帰った瞬間、1年生になり、優しかった上級生も、手のひらを返した様に、厳しい先輩へと変身し、１年生という奴隷の様な身分となり、新入生と1年生の違いを実感致しました。

　これから、今では、考えられない程、人権という物が皆無で、理不尽かつ、肉体的にも精神的にも厳しい、昭和末期の柔道部物語が始まります。

　1年生の生活に関しては、次回のお楽しみと致しましょう。

#学生時代の部活動【柔道部物語：新入生】