●減便

 10日前、毎日運航していたサンフランシスコ-羽田便は2日に1便に減便となり、自動的に翌日便に変更になったので確認してください、とメールが来る。

 

●カリフォルニアの様子

 私の住んでいたパロアルトを含む周辺地域では3月17日より、カリフォルニア州では3月19日より外出禁止令が出されている("Shelter-in-Place order"と言う。生活に必要(Essential)な仕事や外出を除く) 。

 市民の目で言えば、スーパー、ガソリンスタンド、一部のテイクアウト可能なレストランだけが開いている。

 

(・小売店等は数日間は開いているものがあったようだが、行政指導により間もなく閉店した様子。

・保育園も学校も閉鎖(テレビ電話でのプログラムが急ピッチで準備されている)。

・大学の研究も原則禁止。必要であることを事前の届け出ることが必要。)

 

 帰国便の3月26日時点では、全米の感染者が7万人を突破したと報道されていた。

(※以下、カッコ内※は個人的な考え。米国は医療費自体が日本の10倍くらい高いし、低所得者層は十分な保険も持たないので、感染が疑っても検査しない人は数多くいることは容易に想像できる。さらに基本的にマスクをしないことも感染が広がりやすい要因だと思う。)

 

 サンフランシスコ空港では、国際線が激減しており(アメリカからの渡航も制限されているし、渡航先でもアメリカからの入国を制限している)、国際線カウンターにはほとんど人がいない。手荷物検査の後のお店も全部閉店していた。

 

●機内の様子

 乗車率は50%程度。乗客は9割日本人のようだが、韓国語を話す方も複数組いた。ほとんどの人はマスクを着用。機内アナウンスにて「空気は循環、清浄されているから、その点はご安心ください」とのこと。

 到着数時間前、大人も子供も1人3枚の紙が渡され、記入をする。(アメリカは3月26日より、帰国後14日間の自宅等待機の対象国となっているため。)

書類1 申告書:空港からの移動手段(自家用車(運転手の続柄も)またはレンタカー、日本での滞在先住所を記入。

書類2 質問票:パスポート情報、滞在していた国の名前と、下記質問に回答

・過去14日以内で、発熱や咳などの症状がある人との接触がありましたか。

・過去14日以内に感染した患者と接触していますか。(可能性がありますか。)

・体調に異状がありますか。(ある場合は症状はどれですか。発熱、咳、倦怠感、その他)

・解熱剤、風邪薬、痛み止めなどを使用していますか。

書類3 お知らせ:注意事項などが記載された本人保管用

 

 また着陸後、「検疫の混雑防止のため、機内で待機する可能性がある」とのアナウンスが流れた。

(※前日に家族から検疫が異常な混雑らしいと聞いていたので、これは不必要な接触を減らすいいアイデアだと思った。)

 実際には機内待機なく上陸することができた。

 

●検疫にて

19:00 検疫に到着。指定地域からの乗客の列に並ぶ。約20人ほど。

 

19:15 検疫官による書類確認。私は10日前に発熱があったので、正直に話すと、「別で医師と相談して検査することになるけど大丈夫ですか?」と聞かれた。

(※言外に「本当にいいんですか?」という意図を感じた。外務省から「水際対策強化」なるメールなどが来ており、危険因子として直ちに隔離、検査されることを覚悟していたので、少し拍子抜けである。)

 

19:20 すぐ脇の「健康相談ブース」に移動し、もう少し詳しい問診票を記入。医師による簡単な問診のあと、検疫官が再び訪れ、以下のことに同意するか聞かれ、署名をした。

・検査には最短でも7時間がかかること。

・検査待ちの間、ホテルでの待機は不可であること。(自宅がない場合は空港待機)

・陽性だった場合には病院に搬送され、隔離されること。

いずれにしても滞在先の自治体からほぼ毎日フォローが入ること。

(※再び「面倒なことになるけど、本当にいいんですか?」という意図を感じた。実際、最後は「本人の希望もあるということで、検査したいと思います」と言っていた。

 私の中の半分くらいは、そんなに面倒なことになるなら、検査しないで14日間自宅待機していればよいのではないかという気持ちが起こった。米国からの帰国者に対する検査が、本人の希望によるというのはどうも違和感を感じる。

 それから、同行していた家族は「過去14日以内に発熱~の人と接触した」に該当するわけだけど、家族を検査するという雰囲気は全くなかった。その結果、後で検疫官同士の雑談から聞こえたことには、私が乗っていた便の乗客(約150人ほど?)のうち、日本人で検査を受けたのは私1人だけだったらしい。)

 

19:35 すぐ脇にある別室に移動。病院のような雰囲気があり、廊下で医師の準備を待つ。

19:45 検査。使い捨て防護服に包まれた医師が、鼻の奥に綿棒を入れて10秒ほど静かに回す。痛みや不快感はほとんどなかった。

 

20:30 入国~税関まで検疫官が同行する必要があること、預けた荷物を事前に航空会社に確保してもらう必要があることなどで、随分待った。この45分の間に、検査した人は乗務員3人のみだった。

(※検疫のあたりでは15人くらい職員がいたようだが、みな割と手持無沙汰に見えた。検査を受けた高リスク者がたくさん過ごしたであろう、換気の悪そうな部屋で家族と長時間待つことになったので、もっと早く帰してほしかった。)

 

翌朝、早朝にも電話をくれるとのことであったが、翌10時現在、いまだに連絡はない。