結果が出た

 実はそれなりに努力していた。時間がないなんて言い訳をしていたが、直前一ヶ月はコツコツと参考書を開き、優秀でない頭に知識を詰め込むためにノートを取り続ける。

 自分で作る一冊のノートが完成したタイミングで試験を受ける。会場でその努力の結果であるノートで最終チェックをする。

 努力は見せるものではないし、努力していることを広言する必要もない。と格好良く言ってみるが、努力して落ちた時に恥ずかしいから隠していただけだな。この辺のセコさは学生時代から変わっていない。

 12月12日14時からネットで合格発表があった。周りの同僚達の中にも受験者はいるのだが話題にあがらず、ネットをチェックしているような人もいない。

 私は震える手で時間ピッタリにページを開こうとするが、アクセスが集中しているのか何度もフリーズしてしまい確認が出来ない。

 ⋯⋯出た。合格だ。

 涙が出るほど嬉しかった。大声をあげたかったが、それは辞めておく。努力が報われた時の喜びを久々に感じ、明日からの教育にも熱が入る。

 出来の悪い熱血教師だって、やる時はやるのだ。偉そうに熱く語っているだけじゃないぞ。

 何にしてもよかった。