夫の遺体を義実家に安置していた時、
当時1歳半だった息子は寄り付かなかった
 
夫が生きている頃は夫の側にいたのに
夫の亡骸がある部屋には踏み入れなかった
 
父の姿をした違うモノだと思ったのだろうか
 
 
 
それと夫の目から水が溢れたことがあった
 
周りの家族たちは
夫が泣いてると言い、涙を拭っていた
家族たちは皆泣いていた
 
あんなのは涙じゃなくて、
腐敗が進んだ際の体液に過ぎない
そう思ったし、今でも思ってる
 
 
夫の顔は日に連れて青くなり
表情は苦しそうに見えた
 
「死にたくなかったのだろうか?」
そんなことを思わせるようなそんな表情だった
 
 
亡くなった直後は良い匂いがした髪も
葬式の前日には腐った臭いしかしなかった
 
家族に内緒で夫の髪を切った
爪も切ってあげた
それを包んで夫の財布にしまった
 
 
 
真夏に亡くなったから
遺体を冷やしておくのが大変だった
 
夫が眠る部屋はいつも寒かった
皆長袖を着て凍えていた
 
それでも肉体の腐敗は早かった
夫の腹にドライアイスがいくつも乗ってた
固まった指から指輪を取るのがとても怖かった
 
 
忘れかけてたそんなことを思い出した
 
もう寝よう