【 2016 】企業法

 
 

【 点 数 】

 

 < 結 果  >

 

第1問 素点29.0 → 換算後26.75(53.5%)

第2問 素点32.5 → 換算後28.65(57.3%)

 

合 計 素点61.5 → 換算後55.40(55.40%)

 
 
 < 得点比率52%予想ボーダー と結果 > 
※括弧書は参考値、大原&TACは合格発表前公開の概ねの予想値
 
______大原予想_TAC予想_(2015年)_2016年予想_(自己採点)__結果
第1問_素点__24____15___(22)____27_____(18)____29.0
第2問_素点__26____25___(22)____27_____(30)____32.5
 
合_計__素点__50____40___(44)____54_____(48)____61.5
 
 
【 総 評 】
 
第1問 株式(種類株式)
第2問 機関(取締役会、表見代表取締役)
 
問題の難易度的には昨年と大差なかった印象。
ただ、第1問が今までの出題形式と異なり、解答に条文を引用する必要があるような問題が出され、本番では難しく感じられた。
解答すべきことがあっさりしすぎて、解答欄が全然埋まらず、余計なことを書いたり、消したり、探したり、深読みしすぎたりで逆に時間だけ過ぎて何を書いていいかわからないといった問題だった。
第2問は、一度は見たことがあるような典型問題だった。
したがって、第2問の典型論点を取って、第1問の問われていることを無難に答えられれば十分ボーダーに届いたようだ。
ボーダー予想では強気の大原の方が実際のボーダーに近かったことになる。
会社法の大幅改正があったものの、改正論点はでなかった。
 
 
【 感 想 】
 
企業法は比較的得意な方だったので、そんなに心配はなかった。
本番では、やはり、典型問題の第2問をしっかり埋めてから、残り時間で第1問をとれるだけ取るといったスタンス。
 
第2問後半は、大原の問題集のまんまの出題だったので、ほぼ満点だったと思う。
354条は908条の例外云々の話は不要だと思っていたが、答練で、登記の話がなくても書くように言われていたので、書いてやりました。
一方、前半の取締役会の問題は、大原の問題集になかったので、解けない受験生もいたかもしれないが、昨年の答練に出たのと昔のTACの答練でも見たことがある問題だったので、概ね書けた。
ただ、有効か無効かの判断が微妙なところだったので、最後まで結論を先延ばしにして、最後に無効って書いたら、正解は有効だったパティーンでバッサリ。
それでも、過程の7割は合ってたので、ある程度点はきたと思われる。
 
第1問は、問題文読んでも何書けばよいかよくわからんといった印象。
①はとりあえず、あてはまる種類株書いてみて、あと何書けばいいの?みたいな。
仕方なく問われてないけど、手続面として、定款変更と総会手続書いて埋めて、あれそういえば反対株主買取請求権あったけ?で条文見てもいまいちよくわからんので、まぁ書いちゃえでよしよし埋まってきたので、あてはめして、問題文写しておしまひ。
②の問題読んでも種類株が違う以外同じとしか思えず、もう同じでいいやみたいな流れで似たようなことバーッと書いて終了。
さらに、次の問題読んでも、これも同じじゃねーかといった感じで、議決権制限株と特徴みたいなことを挙げて、定款変更と総会手続書いて、あてはめして終わり。
結局、第1問は、あてはまる種類株式とその内容の定款への記載方法について、108条1項2項辺りを引用しつつ、丁寧にあてはめして書けばよかっただけの話であった。
普段どの予備校でも、条文を引用して、丁寧にくどくどあてはめるだけという感じの練習はしてなかったと思うので、全体的に出来が悪かったようだ。
全然出来なかったわりに、自己採点と比べて点数や得点比率が高かったので、それが伺える。
近年、波乱回が続いたので、作成側が気を利かせてくれたのか、予備校の意表をついてきたのか知らないが、対策して慣れておけば、簡単な問題だったのかもしれない。
 
あと、企業法は余計なこと書くと減点されるという受験生もいるが、今回の第1問で言えば、書いた内容が薄かった上に結構間違ったことを書いた(赤線部)のに点数が高かったことを鑑みるに、加点方式で間違いないと思う。
ここが減点されていたら、こんな点数にはならんはず。
 
近年は、典型問題以外にも波乱問題が出るようなので、アドバイスするとすれば、
① 典型問題はしっかり暗記し、論点条文の適用間違いや論ズレは絶対避ける
② 波乱問題は問われている基本的な部分を中心に指摘しつつ無難にまとめる
典型問題はわりと出来たと思ってもみんな出来ているので差がつきにくい上に、典型問題は取りこぼすと足切になりかねないから、確実に抑えておかないといけない。
2016年で言えば第2問の表見代表取締役、2015年第1問の財産引受、2014年第1問の利益相反取引といったところはみんな抑えてくる典型であるし、ここの論点の判定をミスると足切といったこともあるようなので、典型問題は確実に抑えおくべき。
他方、波乱問題は得意な人でも平気で取りこぼすので、苦手な人にはチャンス回かもしれない。
基本的なところを無難にまとめて論ズレしなければ、多少出来が悪くても十分ボーダーを狙えると思う。
2014年の第1問が①の悪いケース、逆に第2問が②の良いケースだったので、見たければ参考にしてみてください。
 
あと留意点として、毎年本番に限って問題用紙を取り違えて即死するというケースもあるようなので、問題用紙には始めに番号を付しておくなどの絶対的な対策をしておいた方がいいかもしれない。
答練などで1回経験してみないと分からないあの絶望感に浸るのを本番で回避できるはず。
2016年では企業法以外、科目合格の受験番号があったので、もしかしたら・・・。
 
 
【 過年度のデータ 】
 
参考になるかは不明だが、不合格時の過年度答案も開示する。
世に出回るのは合格答案だけだと思うので、参考にしたい方は見てください。
落ちたときの答案を採点する余力も気力もないので、採点は省略。
他の合格者の答案と見比べて嘲笑でもしてください。
2年分をざっくり考察して終わります。
 
≪ 2015 ≫
 
2015企業12015企業2
 

第1問 素点25.0 → 換算後28.00(56.0%)

第2問 素点22.5 → 換算後26.05(52.1%)

 

合 計 素点47.5 → 換算後54.05(54.05%)

 
 
 < 得点比率52%ボーダーと結果 >
※括弧書は参考値
 
_______2015年_(自己採点)___結果
第1問_素点___22____(32)_____25.0
第2問_素点___22____(35)_____22.5
 
合_計__素点___44____(67)_____47.5

 

 

< 総評と感想 >

 
2015年は設立と機関のオーソドックスな問題。
ただ、第1問の設立で、現物出資と財産引受の判定を間違えると大幅な減点だったらしく、そこのところで合否が分かれた人もいるらしい。
その他は問題集にあるような典型論点だったので、概ね書けていればボーダーといった具合だった。
 
企業法は比較的得意な方だった上、典型問題だったので、しっかり書けたという印象だった。
そのため、自己採点では高く評価していたが、実際は思ったよりもかなり低かった。
第1問で53条に触れなかったことと第2問で無効の訴えと取り消しの訴えの区別を曖昧にした辺りが減点されたのかもしれない。
また、典型問題だっただけに周りもできたので、差がつきにくかったのかもしれない。
まぁ多少取りこぼしはあっても概ね本筋に沿って書けたので、ボーダーには届いた。
 
 
≪ 2014 ≫
 
2014企業12014企業2
 

第1問 素点13.0 → 換算後21.15(42.3%)

第2問 素点32.5 → 換算後27.85(55.7%)

 

合 計 素点45.5 → 換算後49.00(49.00%)

 
 
企業法はわりと好きな方だったので、勉強しなかったわりに論文初回でもそこまでひどくはなかった。
むしろ、企業法の第2問以外は全科目の各問ベースでボーダー未満だったので、55%は褒めるべきなのか。。。
2014年は第1問が利益相反の典型だったが、第2問が社債管理者というまさかの短答論点で波乱回だった。
周りができなかったので、相対的に第2問がよかっただけの話である。
社債管理者はTACでそこそこ勉強した記憶があったので、定義と基本的なこと書いて、条文あてはめただけだったが、大きく点がついた。
一方、第1問では判定はできたものの利益相反で民法93条但書を誤用して、低い点となった。
典型論点では、事例の判定間違いや条文適用間違いは大きな痛手となるようだ。
企業法は苦手にする人も多いが、典型論点を覚えてしまえば、あとは事例分析して、暗記吐き出して、あてはめるだけなので、慣れれば安定すると思う。
ただ、勘違いや読み違いのケアレスミス1つで致命傷になったり、波乱問題が出たりするとどうしようもないので、その点ではリスクを伴う一番怖い科目だと思う。
 
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