昔 あるところに兄者と弟者が両親と住んでおった

ある日 村に見炉巣講とかいう巡回寺子屋が来た

新しいものが好きな二人はそろって聞きに行った

初めて聞く話ばかりで 頭が良くなった気分になれた

その後も何回か二人で聞きに行った

何年かたち 弟者はその寺子屋の人が言ってる事が本当ではないと気づいた

弟者は兄者にその事を伝えたが その話を気に入ってる兄者には弟者の言うことは信じられなかった

月日は流れ 兄弟はそれぞれ嫁をもらい 弟者は家を出た

親は兄者が面倒を見るという約束で 田んぼなどの土地はすべて兄者のものになった

兄者は小さな家を田んぼの近くに建て嫁と暮らした

世帯持ちになっても 兄者は相変わらず寺子屋にせっせと通いつめていた

話を聞くと こんな話を聞いてる自分はすごいと感じられてやめられない

これはただではなく お金がかかった

のめり込んでいた兄者は手元にお金がなくなってしまった


つづく