20210702もしここに、彼がいたなら。そんなことをずっと考えている。寡黙に机に向かう姿が好きだった。伏目がちなところやペンを鼻にあてる癖上手く行った時に少しあがる口角。彼の、一つ一つが好きだった。水滴が弾けて、流れる。窓にぶつかる雨の影が彼の身体をより一層美しく、儚く映すの。ねえ、聞こえてる?あなたが好きだと言った雨の音が聞こえる。