退位による代替わりは、皇位が江戸時代後期の光格天皇から仁孝(にんこう)天皇に移って以来202年ぶり。皇位継承に伴い、皇太子妃雅子さま(55)は新皇后になった。前の陛下は上皇、前の皇后美智子さま(84)は上皇后となった。
新天皇陛下は1日、即位に伴う国事行為の儀式に臨む。午前10時半から皇居・宮殿「松の間」で「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」があり、皇位の証しとされる剣と璽(じ)(まが玉)、天皇が国事行為に使う印章「御璽(ぎょじ)」と「国璽(こくじ)」を受け継ぐ。
午前11時10分からは、松の間で行われる「即位後朝見の儀」で、国民に向けて初めてのおことばを述べる。いずれの儀式も10分程度を予定する。
宮内庁によると、新陛下は126代目の天皇。皇太子となるまでの称号は「浩宮(ひろのみや)」。幼稚園から大学院まで学習院で学んだ。大学院在学中に英オックスフォード大で学び、留学経験のある初めての天皇となる。93年6月に新皇后さまと結婚し、2001年12月に長女愛子さま(17)が誕生した。
新陛下に男子はいないため、皇太子は不在となる。皇位継承順位は、新陛下の弟、秋篠宮文仁(ふみひと)さま(53)が1位となり、皇嗣(こうし)として皇太子待遇を受ける。秋篠宮家の長男悠仁(ひさひと)さま(12)が2位、前の陛下の弟の常陸宮正仁(まさひと)さま(83)が3位と、一つずつ繰り上がった。
天皇陛下が1日、「即位後朝見の儀」で述べたお言葉は次の通り。
日本国憲法および皇室典範特例法の定めるところにより、ここに皇位を継承しました。
この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。
顧みれば、上皇陛下にはご即位より、30年以上の長きにわたり、世界の平和と国民の幸せを願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その強い御心をご自身のお姿でお示しになりつつ、一つ一つのお務めに真摯に取り組んでこられました。上皇陛下がお示しになった象徴としてのお姿に心からの敬意と感謝を申し上げます。
ここに、皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します。