事業再生ADR手続が仮受理され、再生計画の策定を進めていた会社について、保証債務に基づく事前求償権を有する債権者であり、株主兼元会社代表者である者が会社更生手続開始の申立てをした事案において、保全管理命令を発令することの可否
大阪高等裁判所決定/平成23年(ラ)第1283号
平成23年12月27日
保全管理命令に対する抗告事件
【判示事項】 事業再生ADR手続が仮受理され、再生計画の策定を進めていた会社について、保証債務に基づく事前求償権を有する債権者であり、株主兼元会社代表者である者が会社更生手続開始の申立てをした事案において、保全管理命令を発令することの可否
【判決要旨】 1 保全管理命令を発令するにあたっては、更生手続の目的を達成するために必要があることが必要であり、従来の経営陣が経営を継続した場合、財産の隠匿や散逸、事業劣化の危険がある場合や従来の経営陣に経営を委ねておくのが相当でない事情がある場合がこれに該当する。
2 更生手続における保全管理命令の発令要件は、再生手続における保全管理命令に比べて緩和されており、更生手続開始の見込みがあるかどうかも、保全管理命令発令の要否を判断するにあたり、軽視できない要素というべきである。
【参照条文】 会社更生法17-1
会社更生法30-1
会社更生法41-1
【掲載誌】 金融法務事情1942号97頁