麻薬特例法5条違反の罪の公訴事実が多数回にわたり多数人に譲り渡した旨の概括的記載を含んでいても訴 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

麻薬特例法5条違反の罪の公訴事実が多数回にわたり多数人に譲り渡した旨の概括的記載を含んでいても訴因の特定として欠けるところはないとされた事例

 

最高裁判所第1小法廷決定/平成17年(あ)第660号

平成17年10月12日

国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反,覚せい剤取締法違反被告事件

【判示事項】    「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」5条違反の罪の公訴事実が多数回にわたり多数人に譲り渡した旨の概括的記載を含んでいても訴因の特定として欠けるところはないとされた事例

【判決要旨】    4回の覚せい剤譲渡の年月日,場所,相手,量,代金を記載した別表を添付した上,「被告人は,平成14年6月ころから平成16年3月4日までの間,営利の目的で,みだりに,別表記載のとおり覚せい剤を譲り渡すとともに,薬物犯罪を犯す意思をもって,多数回にわたり,大阪市内において,Aほか氏名不詳の多数人に対し,覚せい剤様の結晶を覚せい剤として有償で譲り渡し,もって,覚せい剤を譲り渡す行為と薬物その他の物品を規制薬物として譲り渡す行為を併せてすることを業とした」旨を記載した公訴事実は,「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」5条違反の罪の訴因の特定として欠けるところはない。

【参照条文】    国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律5

          国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律8-2

          刑事訴訟法256-3

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集59巻8号1425頁

          裁判所時報1397号417頁

          判例タイムズ1197号145頁

          判例時報1914号160頁