先日読んだ新聞記事からです。
アメリカの心理学者がした実験です。
各々の長さの違う、3本の線A・B・Cを見せ、(紙面では2.2cm~1.5cm程度の長さ)
もう一方のカードに、Cと同じ長さの線が書いてありますが、
3本の線から、同じ長さの線を当ててもらうという実験です。
目の錯覚のトリックはなく、A・B・C各線の長さも3~7ミリ差がありますから、
一目見れば、例え目が悪くても数秒見れば、
1枚のカードの線の長さが、Cであることは分かります。
8人の被験者の内、7人が「サクラ」で、
各々が同じ誤答を、例えば「B」を選択していくと、
8人目の本当の被験者も、つられて「B」を選んでしまう確率が、30%にもなるそうです。
ここで、先の7人の「サクラ」のうち、一人でも違う選択をする者がいた場合、
この場合は、「A」または「C」を選んだ場合、
多数派への同調率は5%となったそうです。
集団研究をされる、大阪大のある教授の解釈も載っていましたが、
「人は、暗黙の規範に拘束されるとともに、その場の集団圧力にも影響を受け、
その微妙なバランスの上で行動している」そうです。
同調の心理のメリットとしては、
仕事のチームや学校のクラスなどでの
団結や目標達成において、
成果をあげることができます。
いやいやながら参加していても、
最後には楽しくなったり、
あるいは個々の力が、集団の力となることで、
固体の数以上のエネルギーが生まれる体験もこれに該当するでしょう。
一方でのデメリットとしては、
ナチスドイツのような全体主義的な状況下で、
誤った方向に進むことを促進してしまうことなどです。
統一教会をはじめとする、
俗に言う、“カルト”と呼ばれる団体は、
同調の心理の、デメリットの面が、より作用しているように思えます。
そう書いてみると、
メリットもデメリットも、紙一重のように思えますが・・・
しかしながら、
3割もの割合で、
事実を事実と認められなくなるヒトの心理作用があるとして、
それが自分にも起こりうるのだと認識することで、
不用意に流されなくなる起点に立てるようにも思えます。
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