「お母さん、酸素が上がってこないの、

すぐ戻ってきて!!」



通所に預けてから程なくしてかかってきた電話はスタッフの方の緊急性のある声に事態の深刻さが込められていた



10分位の距離に居たので

すぐに引き返す



小走りしながら

漠然と何かを覚悟し

別の何かを願い信じる



暑いけれど汗が出なくて

口の中がからから…



あともう少しで到着と言う所で

また電話があり



「お母さん、サチュレーションが上がってきたんで大丈夫だから…でも一先ず様子を見に戻ってきて」






通所に着くと、入口にママ友がいて「こうちゃん、大丈夫みたいよ」と声をかけてくれる



息子の所に行くと預けた時と変わらぬ様子…



経過を聞くと、暫くの間 酸素濃度を上げてもサチュレーションが80台前半だったらしい



痰が硬めなのでネブライザーで加湿した方が良いか聞かれ、去痰薬を入れて加湿して欲しいと伝える



息子を見ていたら看護師さんに「落ち着いたから、もう外出して良いですよ」と言われ、(ホントに?!)と驚きつつも、通所の建物付近に居ればいいやと思いスタッフの方に任せ出掛けることにした



その時、息子のケロリとした様子にスタッフの方が「俺、やらかしちゃった?って顔してますね」と笑う



周りの方も「やらかしちゃったんだよね」と言って深刻さを紛らわしてくれる



傍に居たママ友たちも「こうちゃん、やらかしちゃったね」と言う



体調急変から復帰した時に「本当に良かった」の代わりに、こんな掛け声で場の空気を変える事があり



常に命に関わる現場だからこその、緊張と緩和の極端な切り替え法なんだと思う



これが自宅にいたら一人で対処し、一人で受けとめるのだかストレスは半端ない…








その後は通所の隣にある施設の食堂で過ごしたり、通所の周りにある森のような公園を歩く



運が良ければ子連れ狸に出逢えるらしい…



木の影が映る遊歩道を歩く





先程までの緊張感が木々のざわめき共に木漏れ日に吸い込まれていく気がする





こんな写真ばかり撮る




お迎えの時間になり息子の所へ行くと、会う方たちが皆、「こうちゃん、大丈夫ですよ」と笑顔で声掛けしてくれる








今日は早速、作ったばかりの緊急マニュアルが役立った訳で…



私は一人で対処しなくてはならない事態を想定し、帰宅してから今日の看護師さんの対処法を見直しながら思う…



いつ突然、何が起こるか分からないのが

紛れもない現実



心配だしさ、不安だしさ、とても怖いけれど、だからこそ一層息子にとって穏やかで楽しいひとときを大切にしていきたい



息子と共に今を精一杯生きよう