息子は10代半ばから筋緊張がかなり強くなり、口の中に歯ブラシを入れるとその刺激で一気に凄い力で歯ブラシを咬み込み、



本人の意思では口が開けられなくなり、そのまま歯ブラシを咬み続けてしまうため、歯の舌側面を磨くのが難しかった



一度、通所先で申し送りが徹底していなかったミスで新人スタッフさんが口の舌側に歯ブラシを入れたために、歯ブラシを噛んで離さず、無理に引き抜こうとしたため上顎中切歯(上の真ん中の歯)が亜脱臼してしまい、



運良く神経は切れなかったが、その歯は前方に少し移動してしまった



それからは歯ブラシで舌側を磨く事だけでなく、先生にも舌圧子で喉をチェックするのは歯の破折や脱臼の危険があるため避けてもらっていた



息子が20代になってからは徐々に筋緊張が改善されてきて、筋弛緩薬を止められるようにもなった頃に大学病院の障害者歯科の口腔リハビリの往診を受けるようになり、口を開ける訓練が始まる



首や顎周りの筋肉のマッサージを口の外と中からアプローチしたり(摂食指導の時と同じだった)



私が手で息子の口を大きく開けさせたり、左右下顎角を手前に引くようにして志村けんさんのアイーンのような顔をさせて、顎を前に出すような訓練を教えて頂くと



数年後にはそれなりに口を開けられるようになってきて、今は開口器無しで開けていられるようになる



それでも完全に本人の意思で開けている訳ではなく、上手く説明できないのだが…上手に脱力できていると言った感じかな



先日の歯石除去の時、先生が何度か「こうちゃん、口を大きく開けてね」と声掛けした後に、「そうそう上手に開けてくれたね!」と言う場面があり、私は密かに感動しながらその様子を見ていた



もしかしたら先生のリップサービスかもしれないけれど、それでも息子が本人の意思で開けようと頑張っているんだなと思うと胸が熱くなった



小さい頃から採血のための注射は数知れず…まだ喋れる頃は注射の後には涙を溜めながら、私の真似をして先生に「ありがとあした(ありがとうございました)」と言っていたのを思い出す



今も息子の心の中は同じかな…

毎日、毎日、息子に関わる様々な方に感謝…






主人の入院中、一枚だけ写真を飾っても良いと言われていたので、これはその時のクリスマスバージョン