昨日は義姉に電話し半年近く渡せずにいた物をいくつか届けに行くと伝える。玄関先で失礼した方が良いのか、それとも義父母のお仏壇にお参りさせてもらっても良いものかどうか悩んでいたが、義姉の「窓を全開にするから少し上がっていって…」の一言で決まった。



考えてみるとこの一年はケアの方は別として、電話以外で誰かとゆっくり話すのは久しぶりだ。『表情を見ながら話をする』のが当たり前でいたあの頃に戻りたいものだ。



帰り際、義姉が「たまには人と話をしたいから来てくれて嬉しい」と言い、表通りに出るまで見送ってくれる。



途中、「タオちゃん、あれ!!」と指差す先には何と野良猫が…。ビルの横に置いてある立て看板の上にちょこんと座っているではないか。鳴き声からしてお腹が空いているのが分かる。最後まで「腹ペコなんだけどなぁ…何かくれるんじゃないの?」と言いた気にこちらを見ては鳴き続けていた。



もしかしたら猫好きの義姉の事だから、私と別れた後に猫にエサをあげに戻ったのかもしれない。私が野良猫の写真を撮るのが好きと知った後は、有り難い事に写真を撮りやすいように一歩引いて譲ってくれる。こうやって義姉との関係も少しずつ変化している。



義姉と別れた後はその辺りの路地裏散策をしながら、主人オススメのお稲荷さんの店へ向かった。自分のお昼用にしたいのもあったが、お使い物にもしたかったのだ。



先日、GW中にマンションの上の階の方から「GWと言っても、タオさんはどこにも出掛けられないでしょう…せめて美味しいものを楽しんでね」と涙の出るようなお声掛けがあり、話題のお店のケーキを頂いたため、お返しにはぴったりの老舗のお稲荷さんを持って伺いたかったと言うのもある。



頂きものはお相手の心を頂くようで有り難く、差し上げるものはお相手が喜んで下さるお顔が楽しみ。



いきあたりばったりの路地裏巡りから、お稲荷さん屋さんへ向かっていたら、知らぬ間に幼い息子とよく遊んだ公園の裏へ出ていた。以前は辛くて近寄れなかったのだがうっかり辿り着いてしまった。ただ公園は整備され、あまりの変わり様に思い出と重ならないのはある意味有り難かった。




息子が乗っていたブランコはなく、新しいカラフルな遊具で遊んでいる子どもたちが遠くの方に見えた。



公園からお稲荷さん屋さんを通り、最終的な目的地へと向かう。昔、息子のお宮参りをした神社だ。そして願かけをする。



心をこめて願い事をひとつ…。