父からラインで写真が何枚か送られてきた。返信よりも電話しちゃえと実家にかける。すると父が出て「もしもし、見てくれたかい!」
「庭は花盛りだねぇ」と言うと、ピンクの花菖蒲を撮ろうと思って庭に出たら、他にもいろいろ咲いていたんだと嬉しそう。
「これは何だか分かるかい?珍しい花だろう!ジャガイモの花なんだ!奥の細長いのはニンニクだからね。そろそろ収穫の時期だなぁ」
「紫陽花も蕾がついてきたと思って撮ったんだよ!」と言われ、フォロワーさんの紫陽花の記事が浮かんできた
それから送ってもらった花の名前を一つ一つ聞いてみると、「なんだっけ?ほらほら、あれだよ…」
そう言われても私も分からず、そこで母に変わり、まず花菖蒲の話題で盛り上がる。ピンクの花菖蒲は随分前に伊豆、修善寺の虹の郷で一目惚れし、一株八千円で買ったらしい。
紫の花菖蒲はピンクに比べるととても強く、育てやすいとか。これは弟が保育園に通っている時に園のバザーで買ってから、かれこれ50年もずっと植え替えして、毎年花を付けてるんだってさ。
「でもね…ここ数年は身体がしんどくて、株の植え替えが出来なくなってね…ホント、手入れもしていないのにこんなに花を付けてくれたのよ…」
しみじみ語る母に何て言ったらいいのか言葉に悩む…。「本当に見事に咲いてくれたんだね、毎年それは大変だったでしょう」そんな事しか言えない。
「この赤いのは何の花?」
「なんだっけ…」と母。
語尾に「け」が付くのは方言
「紫のは?」
「…なんつったっけなぁ…」と母。
言葉使いに笑ってしまう
「じゃあ、小さいピンクのは?」
「…なんつったっけ?ほら、あれよ、あれ!
最近は花の名前も何もかも、ぶち忘れちゃってさぁ…あんたさんは、どなたさんですかってなもんよ!」
母がかなり、べらんめえ調になってきたのでこれ以上、花の名前を聞くのはやめた。
話は花菖蒲に戻り、最近はジャーマンアイリスと言う華やかなのが流行りみたいだけど、日本の花菖蒲はやっぱり風情があって良いわよねとお互い相槌を打って終わった。
一緒に暮らしていたら、きっと流れていってしまうような会話なんだけど、遠く離れていて、いつ会えるのかも分からない今の世の中ではこんな取り留めもない話がとても大切に感じられる。
おっちょこちょいなのでいつも誤字脱字がありすみません!長い記事を読んで頂いてありがとうございます