「一哉でいいよね?」
「あ…おう。別にいいけど。」
いきなり呼び捨てかよ。
…なんか嬉しい。
「あ、でね。私が一哉の席に来たのはね~
一哉と私の家近いみたいで、私まだ学校から帰るの1人じゃ無理だからさ、
一緒に帰ろうよ!」
「いいけど。」
「ヤッター!!」
喜ぶ金本。
そんな姿見せないでくれよ…!
余計イライラすんじゃねぇか!!
「ね~、ゆりかちゃん!」
「なぁに?」
女子ってすごいよな。
会ってすぐに、ちゃんで呼ぶんだから。
「ちょっとコレ…例のやつ。後で見てね。」
コソコソと話しているみたいだが
横にいる俺には丸聞こえであった。
女子は紙のようなものを渡した。
授業中にでも回すようなものだ。
女子と金本は教室を出た。
すると、今度は男子が俺の机に集まってきた。
「なぁ、一哉。
さっきのアレ。なんだと思う?」
「は?アレってなんだよ。」
「もー。お前ってにぶいな…。
女子が金本に渡した紙だよ。紙。」
「あー。あれか。別に知っても意味ないことだろ。やめとけ。やめとけ。」
そう言うと男子は「え!?」という顔で俺を見た。
なんだよ…。
「んじゃあクイズ。
2月14日は何の日。」
「え?んなのあるっけ。何の日ってことは学校休みか!?」
2月14日。
なんだったけ。思い出せねぇや。
でももしかしたら学校が休みかもしれねぇぞ!!
「おいおいおいおい…。
2月14日はバレンタインデーだ!!!」
は…?
バレンタインデー?
「あー。そういえばあったな…。
お前らがいつもソワソワしている日。」
「ソワソワってなんだよ。人聞き悪いな!」
「で、それがなに。早く言えよ。」
さっきからイライラしていた俺は
早くしろよ。と何度も言っていたが、男子はゆっくりと話す。
イライライラ…
「でさ、バレンタインデーは女子が男子にチョコレート渡す日だろ。
で、さっき女子が話し合ってたのを聞いたんだよ。」
「へー。」
「金本なんだけどよ。俺達はお前に渡してやる!
せいぜい頑張れよ~~!」
と男子は言って、廊下で遊びだした。
は?え?渡す?なんのことだ?
バレンタインデーの意味は知ったが…渡すってどういう意味だ?
うーん…?
.....
「起立。礼。さようなら!」
「さようなら~」
放課後になると、俺と金本は一緒に帰る約束をしていたので
一緒に帰ることにした。
男子からは「頑張れ!」と言われたが、
意味を教えてくれないと俺はわからないんだけどなぁ…。
「ね~あっちから帰れない!?」
「あそこは遠回りだ。」
「じゃーあ!あっち!」
「行き止まりがあるぞ。」
金本って妹みたいだな…。
フラフラ歩いてる金本は夢の世界にいるようだった。
「おい。電柱で頭うっても知らねーぞ。」
と言った瞬間。
金本は電柱に頭をうった。
なんていう…。
ドジすぎるだろ…。
「おい。大丈夫か?」
「大丈夫!」
「大丈夫」と言ってるけど、金本のほっぺたには
傷がついていた。
金本は気づいていないみたいだ。
痛みとか来ないんだろうか…。
それはそれでスゴイんだけどな…。
「お前ほっぺた…。」
「え?」
「ばんそうこうあげるよ。」
ばんそうこうを何故か俺はポケットに入れている。
ケガをした時に保健室に行かないで済むためだ。
「え…これって…」
金本は驚いている。
なにを驚くんだ。と思って俺はばんそうこうを見ると
ヒーローのイラストがプリントされていたばんそうこうを渡してしまった。
「!!!!!!!!!!!」
「くく…面白いね。一哉!
このばんそうこうでもいいよ。!」
ばんそうこうを見て笑っている金本。
俺の顔はどんどん赤くなってきた。
「その…嫌なら嫌って言っていいんだぞ。」
「え?私全然嫌じゃないよ。むしろ嬉しいからさ!」
ニコニコと笑っている金本。
いかん。
これ以上見てしまっては俺が破裂してしまう。
「一哉。決めたよ。私。」
「なにがだよ。」
「バレンタインさ、一哉にチョコあげるよ!」
続く。