たまのHAPPY写真館 -2ページ目

2011年3月11日14時46分


いつもと同じ朝が来て

いつもと同じ電車に乗り

いつもと同じ時間に会社に着き



PCに向かいキーボードをたたく


まもなく15時を迎えようとしていた


隣の席の同僚と「もう疲れたから15時になったら休憩しよ~。残り15分~!!」


なんて話ながら。


この後、日本を揺るがす恐ろしい出来事が起きるとは知らずに



---14時46分---


私の職場は東京都内の高層ビル28Fのフロア


突然


お尻が椅子からポンポンポンと軽くバウンドするような感じがして


「何コレ?」


皆がこの違和感に気づき、ザワつき始めた


その直後・・・・


ぐるーん  ぐるーん  とビルが大きく円を描くように揺れだした


今まで体験したことない揺れ


上司が 「全員デスクの下へ!!」 と叫ぶと同時に


ビル内でも緊急地震発生のアナウンス


電気が消えたり点いたり


女子たちが悲鳴をあげながらそれぞれのデスクの下へ


私はすでにこの状況にショックを受けながらも、続いてもぐった


ぐるーん ぐるーん と揺れは激しくなる一方


船が大波に揺られてるように


物が転がり落ち


椅子が左右に動き回り


デスクの引き出しが


バン!バン!と開いたり、閉まったり


この音が今でも耳に残る程恐怖で


デスクの脚に捕まりながら、早く終わってーと祈るばかりだった


揺れが長い


長すぎる


上層階であればあるほど長周期の震動に共振して大きく長時間揺れるとのこと


このビルどうなるんだろう


これで火災が発生したら大変なことになるな


頭の中は不安ばかり


悲鳴を上げる人


涙ぐむ人


だまって耐える人


大丈夫って声をかける人


さっきまでいつもと同じ平凡な光景だったのに


混乱する頭を抱えながら


全員机の下で必死に大揺れに耐えていた




少し落ち着いてきたかなという時


女子社員が一人倒れてしまい


すぐさま横になれるスペースへ運ばれる姿を見た


私は、フラつきながら立ち上がり、恐る恐る窓の外の様子を見てみると


隣のビルが折れるんじゃないかってくらい、揺れてるのが見えた


そして遠くに大きな黒い煙がもくもくと空に広がっていた


(後からお台場付近の火災だったと知りました。)


消防車や救急車の音も鳴り響き


大通りでは交通事故も起きている様子が見え、パトカーも数台いた


誰もがこの地震はただ事ではないと確信していた


揺れはゆっくりと回るように続き


船酔い状態


嘔吐する者が続出


私も次第に気持ち悪くなり


よろよろとトイレに向かった


トイレに行くと個室のドアもキィ・・と開いたり閉まったり


そして棚やドアの上のホコリが落ち、床に気味悪く散乱していた


少し吐き気も和らいだので戻ろうとしたその時


また大きな揺れがきて歩けなくなり


通路にしゃがみ込んだ


その場所からエレベーターが見えた


1階から最上階までつながってる鉄の綱みたいのが


バンバンとものすごい音を立ててガラスに体当たりしていた


割れるんじゃないかと震えながら


揺れがおさまるのをただただ待った


自分のデスクに戻り


仕事は中断、しばらく待機


皆で恐る恐るワンセグでニュースを見た


すると宮城で震度7・・・・


私達のいた場所は5強だった


ビルの外は?家は?一体どうなっているのか


電話は一切つながらない


メールは何とかつながった


まだ揺れている


気持ち悪い


そしてその後


交通機関が停まってしまったため


帰れる人は帰る


帰る手段がない人は会社に残って泊まる


の選択になり


私はこの後の余震もこのビルで迎えるのが本当に怖かったので

家は歩いて帰れる距離ではないが


とりあえず方向が同じ同僚と一緒に行けるとこまで歩いて帰ることにした


ヒールの靴は職場に置いて


仕事中に履くペタンコサンダルで会社を出た


エレベーターはもちろん故障


28Fより非常階段でぐるぐるぐるぐる下り


都内の大通りをひたすら歩いた


すごい人の量だった


逆走してる人


足の不自由なおじいちゃん


支えるおばぁちゃん


ヘルメットをかぶっている集団


自転車を買って乗って帰る人


TVの報道記者のカメラ数台


駅の入り口は封鎖され


タクシーやバスは見たこともない行列


その状況を呆然と見ていたら


携帯の緊急地震速報の警報音が鳴った


沢山の人の携帯で鳴っていた


そしてその後に余震・・・


その繰り返し


歩くこと3時間


さすがに風も冷たくなり


サンダルの足はかなり冷えきり


体力も無くなってきたので休憩しようと


色んな店に入ろうとするが


どこの店も満席か、すでに閉まっているか、これから閉める店ばかり


何店舗もはしごして


ようやく喫茶店に入れた


でもこの店も残り1時間で閉店とのこと


店内でも余震は続く


急いで残ってるパンと暖かい飲み物を飲んで一息つき


また寒い外へ出て歩き始めた


その途中


地元に近づくバスが通りかかり


でも明らかに満員で


これは絶対乗れない、諦めようと後ずさりしたら


バスのおじさんがドアを開けた


「乗客の皆様、恐れ入りますもう少しずつだけ詰めてあげてください」

とアナウンス


乗客の方たちも「大変だったね」


と声をかけてくれた


バスのドアすれすれの所に何とか乗車し


正直歩いた方が全然速いくらいの渋滞をバスで進み


終点までいった


ここからどうしよう・・・


携帯の充電も切れてしまった


そんな時


カンカンカン・・・と踏み切りの音


運よく、かなり運よく電車がちょうど一時的に復活し、地元まで帰ることができた


もう夜中の12時をまわっている


地元の駅に着いたとき


実家に帰って母が玄関で迎えてくれたとき


涙があふれた




そしてTVをつけ


地震の被害映像を見た私は


ただ呆然・・・・


自分の今日一日の恐怖なんか本当に情けなくなる


M9.0/震度7という、すさまじい破壊力の地震と


この世のものとは思えない恐ろしい津波


悲惨な現状を知った


夜中になっても


緊急地震速報と余震の繰り返し


大津波警報で日本列島全体が囲まれていた


赤い点滅で染まる日本


これは現実なのか?

無力すぎて


言葉にならない


無力すぎて


この時はただただTVの映像をみつめ


受け入れられずに首を左右に振ることしかできなかった







2011年3月11日(金)に発生した東日本大震災におきまして


たくさんのお亡くなりになられた方々に深くご冥福をお祈り申し上げます


また甚大な被害を受けられた被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます


一日も早い復旧、復興を願っております







募金・献血・節電・ボランティア


今、日本中が動いている


一人ひとりが


今、自分にもできることを見つけて動いている


どんなに小さなことでも


みんなで力を合わせれば


ものすごい大きな力になる


意識を持つことだけでも


すごく大切なこと




原発のこともあって心配や問題も沢山だけど


私達は引き続き出来ることを頑張ろう




そして一番大事なことは


この日を忘れないことと


この大災害の惨事を無駄にしないこと