本書は、「なぜ人類は戦争をやめられないのか。なぜ人はこれほどに残虐なことができるのか。」(6ページ)という観点で、姜さんと森さんが対談した内容が収められている。
2 斎藤貴男著 『ルポ改憲潮流』(岩波新書)
本書では、日本国憲法の改正への流れ及びその問題点が記載されている。
「はてしなく進む監視社会化」(23ページ)の進行、国家の権力を人権を守るために縛るという憲法の性格の変更、安全保障での米国との価値観の共有化(「衛星プチ帝国」化(124ページ))などが内容である。
3 宮崎学著 『突破者(上)』 (新潮文庫)
宮崎さんが建物解体業を行うヤクザ組長の子として生まれ、そのような環境で成長し、早稲田大学に入学後は学生運動の活動家となり、1970年の東大闘争にも参加した。その後に、週刊現代の記者となったところまでが上巻に書かれている。
なお、突破者(とっぱもの)とは、「無茶者、突っ張り者」のことである(346ページ)。
4 宮崎学著 『突破者(下)』(新潮文庫)
本書では、宮崎さんの実家の解体会社の資金のやり繰りに明け暮れたこと、その努力も虚しく会社が倒産してしまったこと、グリコ森永事件で「キツネ目の男」と疑われたこと、バブル期に地上げをして稼いだこと、暴対法についてなどが書かれている。
ちょっと忙しくなってきた中での4冊は、まあまあかな。1冊目の『戦争の世紀を超えて』は結構なページ数があったが、対談形式だったため、比較的早く読めた。
1) 中島岳志、星野智幸、大澤信亮、重松清及び開沼博著『世界が決壊するまえに言葉を紡ぐ』(金曜日)
2 ) 中島岳志著『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』(朝日新聞出版)
3 ) 小林美佳著『性犯罪被害にあうということ』(朝日新聞出版)
4 ) 安野光雅、森毅、井上ひさし、池内紀編『美しい恋の物語 ちくま文学の森』(ちくま文庫)
5 徳田雄洋著 『震災と情報ーあのとき何が伝わったか』(岩波新書)
6 凡人会と加藤周一著 『ひとりでいいんです』(講談社)
7 鎌田慧著 『空港 25時』(講談社文庫)
8 高杉良著 『会社蘇生』(新潮文庫)
9 飯田哲也、上杉隆、内田樹、開沼博、小出裕章、古賀茂明、坂本龍一、高橋源一郎、田中三彦、藤原帰一、保坂展人、丸山重威、和田光弘著 『私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。』
10 日隅一雄、木野龍逸著『検証 福島原発事故・記者会見』(岩波書店)
11 大島堅一著 『原発のコストーエネルギー転換への視点』(岩波新書)
12 武田徹著『原発報道とメディア』(講談社現代新書)
13 アーサー・ビナード著 『出世ミミズ』(集英社文庫)
14 髙谷清著 『重い障害を生きるということ』(岩波新書)
お正月休み効果で14冊。まあまあの冊数だと思う。
本書は、明治創業の大手商社が経営不振から、会社更正法の申請により、裁判所から保全管理人に選任された弁護士宮野が様々な困難を乗り越え、見事に会社を立ち直した過程が描かれている。
2 飯田哲也、上杉隆、内田樹、開沼博、小出裕章、古賀茂明、坂本龍一、高橋源一郎、田中三彦、藤原帰一、保坂展人、丸山重威、和田光弘著 『私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。』
本書は、雑誌『SIGHT』2011年夏号及び冬号に掲載されたインタビュー集である。その雑誌の編集長渋谷陽一さんと著者たちとの対談なので、読みやすいです。本書の目的は、「原発利権の上に成立してしまっている」「社会全体の構造」を明らかにすることである(まえがき2ページ目)。
3 日隅一雄、木野龍逸著『検証 福島原発事故・記者会見』(岩波書店)
本書では、弁護士の日隅さんと、フリージャーナリストの木野さんが東電・政府の記者会見を通じての「情報公開」過程を検証している。本書の目的は、本書の副題でもあるとおり、「東電・政府は何を隠したか」を解明することである。そして、その答えは、「組織のトップは責任は回避し、反省の言葉は出しても、再発を防ぐための具体的な手段は講ずることができず、そして、これまで通り組織を傷つけることなく守ることにすべての力が注がれた」(197頁)とされている。
4 大島堅一著 『原発のコストーエネルギー転換への視点』(岩波新書)
本書は、原発のコストとして、発電コストだけではなく、福島原発事故の損害賠償費用、電源三法交付金及び使用済み核燃料の処理費用もコストとして、検討している。結果は、言うまでもないが、原発には「経済性がない」のである(128ページ)。また、原発の安全性を軽視した「原子力ムラ」に対する批判及び脱原発の可能性への言及もされている。
5 武田徹著『原発報道とメディア』(講談社現代新書)
本書は、原発報道とマスメディアの現状について分析をしている。なお、著者の立場は、原発推進派寄りに思われる。
6 アーサー・ビナード著 『出世ミミズ』(集英社文庫)
本書は、雑誌等に掲載されたエッセイが数十収められている。
7 髙谷清著 『重い障害を生きるということ』(岩波新書)
本書は、重症心身障害児(者)の身体の状態、彼らの存在状態、彼らに対する取り組みが紹介されている。
10日間で7冊は最近ないと思う。原発関連が過半数を占めた。
本書は、昨年3月11日の震災後の一定期間(1週間、1カ月間など)の情報の流れを検証している。国内外の大手メディア及びネット上の情報が対象となっている。
2 凡人会と加藤周一著 『ひとりでいいんです』(講談社)
本書は、加藤さんとの対話がほとんどである。戦争と憲法、歴史、文学と宗教、芸術、現代社会などに関する内容となっている。加藤さんは、「それ(注 反戦)はひとりでいいんです。ひとりで。それはむずかしいことではない」という(73ページ)。このことは、反戦に限らず、脱原発などにも当てはまる。
3 鎌田慧著 『空港 25時』(講談社文庫)
本書は、空港で働く人にその仕事の内容や気構えなどをきいた。パイロット、客室乗務員、カウンター受付員、貨 物搭載係員、機内清掃員、整備士、運行管理者、管制官、税関職員が登場するので、空港での仕事に興味があれば、読むことを勧めます。
今期は3冊。ちょっと少ないかも。
本書は、中島岳志さんと、作家星野智幸さん(2010年9月)、文芸批評家大澤信亮さん(2011年2月)、作家重松清さん(2011年4月)及び社会学者開沼博さん(2011年7月)との対談集である。
本書の副題は「秋葉原事件から3・11以後へ」であるが、中島さんは秋葉原事件後に「言葉を失った」そうだ。なぜなら、「大切なことがすり抜けていく」からだ(5頁)。そして、中島さんは「絶望することにも絶望したとき、私たちはようやく世界を引き受けることができ」、その場合に最重要なものは「言葉」で、それによって「世界が変わる」という(17頁)。
また、東電バッシングによって、脱原発がなされても、「私たちは必ずそれ以上のものを失う」。そのような状況では、画一的な価値観の「妄信」が広がり、世論の合意が形成できなくなり、「異質なものが抹殺される」ことになる(22頁)。
できれば、本書を読む前に、次の『秋葉原事件』を読んでおいたほうがよい。
2 ) 中島岳志著『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』(朝日新聞出版)
本書で、中島さんは、加藤被告(死刑が確定したかは知らないので。)が生まれた青森市での生活、市内の高校卒業後の短大生活、そして短大卒業後の派遣生活を丹念に追った。なぜなら、「事件の背後に潜む現代社会の問題を見つめる必要がある」(16頁)からであり、また「これからの世界を生きるために。社会の破裂を食い止めるために」(17頁)必要だからである。
本書を読むと、加藤被告はマスメディアで流されたイメージとは異なり、他人とのコミュニケーションができない人ではなかった。だから、いろいろな職場でも同僚とふつうに接していたし、ネット上の掲示板でも「仲間」がいたようだ。彼の最後の「居場所」となったネット上の掲示板から、「なりすまし」によって本人であるにもかかわらず、そこから排除されてしまったことの衝撃が犯行への引き金となったのかもしれないが、そこに至る経緯を知らなければ、その「居場所」の喪失感の大きさは理解できないだろう。
3 ) 小林美佳著『性犯罪被害にあうということ』(朝日新聞出版)
著者の小林美佳さんは、実際の性暴力の被害者である。本書は、著者が遭った被害後の精神状態や人間関係を主に記載している。あらためて、性暴力は一人の人間を破壊する行為だと思わされた。だから、そこから這い上がってきた人のことを「Survivor」(生還者)というのはわかる。
4 ) 安野光雅、森毅、井上ひさし、池内紀編『美しい恋の物語 ちくま文学の森』(ちくま文庫)
本書は、「ちくま文学の森」シリーズ全10巻の第1巻である。
収められている話は次のとおりである。
島崎藤村「初恋」
堀辰雄「燃ゆる頬」
尾崎翠「初恋」
アンデルセン/大畑末吉訳「柳の木の下で」
ヘッセ/高橋健二訳「ラテン語学校生」
伊藤左千夫「隣の嫁」
モーパッサン/青柳瑞穂訳「未亡人」
フォークナー/龍口直太郎訳「エミリーの薔薇」
リルケ訳/水野忠敏訳「ポルトガル文」
A・ハックスリー/太田稔訳「肖像画」
菊池寛「藤十郎の恋」
スタンダール/桑原武夫訳「ほれぐすり」
バルザック/水野亮訳「ことづけ」
加藤道夫「なよたけ」
4月 6冊
5月 2冊
6月 3冊
7月 7冊
8月 8冊
9月 3冊
10月 8冊
11月 6冊
12月 8冊
計59冊
2月 2冊
3月 11冊
4月 6冊
5月 13冊
6月 9冊
7月 6冊
8月 13冊
9月 12冊
10月 14冊
11月 9冊
12月 9冊
計110冊。月10冊まではいかなかったが、まあまあ読んだ年だったと思う。
2月 15冊
3月 15冊
4月 12冊
5月 12冊
6月 12冊
7月 13冊
8月 11冊
9月 12冊
10月 10冊
11月 8冊
12月 9冊
計139冊
毎月10冊程度読めればと思っていたので、良かった。今年も同じくらいの冊数を読めるといいが。
2 佐高信著『抵抗人名録』(知恵の森文庫)
3 鈴木邦男著『鈴木邦男の読書術 言論派「右」翼の原点』(彩流社)
4 岡野眞治著『放射線とのつきあい 老科学者からのメッセージ』(かまくら春秋社)
5 田中俊之著『男性学の新展開』(青弓社ライブラリー61)
6 鎌田慧著 『反骨 鈴木東民の生涯』(講談社)
7 海渡雄一著『原発訴訟』(岩波新書)
8 山路徹著『口説きの技術』(角川oneテーマ21)
9 森達也著、毎日小学生新聞偏『僕のお父さんは東電の社員です』(現代書館)
残念ながら、10冊に達せず。