今、軍事にかける費用が世界で最も高い国はどこか。
今、銃の所持数が世界一位の国はどこか。
大統領が二度も罪に問われた国はどこか。(w)
アメリカ合衆国である。
そして、この国を長らく支えている銃がある。
それは…………
M16
M4
M16シリーズと、M4カービンです。
まぁこいつら、アメリカを支えてきた銃とは言ったものの……
実はかなりの変わり者なのです!!
今日はこれらの銃の開発経緯から現在を見てみましょう!!
時は1950年代。アメリカ陸軍はそれまで、セミオート(一回トリガーを引くと一発発射する)ライフルの
M1ライフル、またの名をM1ガーランドを使用していました。
M1ガーランド。(ガーランドは設計者の名前のジョン・C・ガーランドからとった)
・重量 4.3㎏(重い)
・長さ 1108㎜
・使用弾薬 7.62×63㎜(30‐06スプリングフィールド弾)
ですが、アメリカ軍はフルオート(トリガーを引いている間は弾が出続ける)が可能なライフルを求めていました。(これをアサルトライフルと言う)
理由は簡単。そっちのほうが強いから。
そこで、良い銃はないかとアメリカ陸軍が募集したところある銃が出てきます。
それはAR‐10という銃で、これはM16の元となる銃です。
AR‐10
・使用弾薬 7.62×51㎜ NATO弾
この銃の設計者はユージン・ストーナーという人物で、アーマライト社(航空機会社の傘下)の社員でした。
彼は航空機での経験を活かし、銃をグラスファイバーとアルミ合金で作るという画期的な策に出ました。
その結果、当時の他のライフルより1㎏近く軽くすることが出来ました。
また、内部の射撃機構のおかげでリコイル(撃った時の反動)も抑えられました。
そして、迎えたアメリカ陸軍のトライアル。
AR‐10はトライアルに落ちました。
なんで?!あんな優秀なのに?! と思う人がいますよね?
理由はストーナーが務めていた会社であるアーマライト社の社長が要らんことをしたからです。
なにをしたって?
彼は設計者であるストーナーの反対を振り切って、銃身までもアルミ合金で作ってしまいました。
ストーナーは流石に銃弾の通る銃身をアルミ合金にしたら耐久度的にアカンと言い、
社長はそれを振り切り、GOした訳です。
結果から言えば、命中精度・射撃中のコントロール性の良さは最高評価だったものの、
撃ってる途中で銃身が裂けました。
「確かにいい銃だがいつ手が吹き飛ぶか分からない」
との理由で却下されました。(社長いなければ……)
代わりに採用されたのはM14という、M1ガーランドの装弾数をボックスマガジンにより20発に増やし、
NATO(北大西洋条約機構)共通の弾薬を撃てるように小改造を加え、
フルオート射撃をできるようにした単純なフルオートライフルでした。
M14ライフル
・重量 4.5㎏
・長さ 1118㎜
・使用弾薬 7.62×51㎜ NATO弾
アメリカ軍はこのM14をベトナム戦争に配備。
ソ連の支援する北ベトナム側をギャフンと言わせようとしました。
が、しかし。
この銃はすぐに悪評の烙印が押されてしまいます。
何故かって?
木々が生い茂るベトナムのジャングルという戦場に、
重い(4.5㎏)、長い(1.1m)、リコイル強い(7.62×51㎜弾)のトリオは
予想以上に適応できなかったからです。
こんな失敗をしでかしたのは軍上層部のアサルトライフルの認識の間違いが理由でした。
フルオートで弾を撃ち出すアサルトライフルは反動が弱い弾薬の方が
良いにも関わらず軍上層部は
「弾薬は絶対にハイパワーな方が良い!!」
としました。
その所為でM14はジャングルに適応できず、
1957年に製造が開始され、1964年には製造中止という
歴史に名を遺す駄作ライフルになってしまいました。
※補足:アサルトライフルとしてはNGだったM14ですが、その後無事
セミオートスナイパーライフルとして新たな可能性を見出されました。
M21スナイパーライフル
M14の中でも特に命中精度の良いものを改造し、精密射撃に特化させた。
フルオート機能は排除された。
スナイパーライフルとして再就職したM14ライフル。
そこでアメリカ陸軍は新しいライフルを再度募集。
そこで、AR‐10の設計者であるストーナーは自らのAR‐10を
改造し、フルオート射撃のしやすい銃を完成させました。
それがAR‐15です。
この銃の特徴は何といっても材質にあります。
AR‐10同様、アルミ合金を多用し重量が軽減されました。
そして弾にも特徴があります。
この銃が使う弾薬は、5.56×45㎜弾。
この弾薬は”小口径高速弾”と呼ばれており、
従来の7.62×51㎜弾よりも小さいです。
この弾の目的は何か。
大雑把に言っちゃえば、
「細くて尖った弾丸をクッソ速く飛ばして目標をブチ抜くこと」
でした。
そんなAR‐15は、軍用に改良したM16としてベトナムへと向かいました。
ですが、やはり問題が発生します。
M16がベトナムに配備された際、M16のメンテナンスの仕方を
アメリカ陸軍は兵士に教えていませんでした。
M16は内部の機構が汚れやすい作動方式なので
こまめなメンテナンスが必須です。
それと相まって、ベトナムにはM16が苦手とする
射撃後の燃えカスの多い弾薬が送られました。
なので配備当初、アメリカ陸軍には
”死んでいるアメリカ兵の横には動作不良を起こしたM16がある”
という噂まで流れ、M16の信頼度は落ちに落ち
中には敵のAK47を装備するアメリカ兵もいました。
アメリカ軍は急遽、M16のメンテナンス方法を兵士に叩き込みました。
また、誤って送られた燃えカスの多い弾薬も
指摘後は燃えカスの少ない、M16が指定する弾薬に変更しました。
改良したことで、M16の評判は回復。
フルオート時のコントロールのし易さや、軽さが評価され
M16はアメリカ兵に使われていきました。
その後、ボルトの前進が不完全だった場合に使う
ボルトフォアードアシストを追加した、M16A1を発表、製造しました。
M16A1。排莢口の後ろの斜めに突き出したパーツが
ボルトフォアードアシストである。
設計者であるストーナーは反対しました。
ボルトがしっかりと前進しないという事は
銃に何らかの不具合があるはずだ、と。
まぁ、アメリカ軍がそんな意見聞くはずもなく、
M16A1は製造されました。
M16はその後も進化を続けます。
フルオート射撃をやめ、3点バースト射撃にしたM16A2。
3点バーストのほかにハンドガードを
三角ハンドガードから丸型ハンドガードに変更するなど
様々な変更が施されました。
M16A2。
そしてベトナム戦争時、特殊部隊に使われていた
XM177E2の欠点を改良したM4カービン。
M16A2よりも全長が大幅に短縮され、
ストックも伸縮式のものに変わりました。
M4カービン(以下M4)。写真のように様々な光学機器を乗せれるようになった。
XM177E2。大分M4に似ているが
固定式の外れないキャリングハンドルや、
肉薄なバレルなどM4に劣るものがある。
このM4は現在もアメリカ軍に採用されています。
かくして、M4はアメリカ軍の相棒として
現在もその地位に君臨しているのです。
いかがでしたでしょうか?
アメリカ軍の相棒、M16・M4に関心を持っていただけたでしょうか。
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