人には人生において3度はチャンスがあるらしい
我ながら運は良い方で既に一度訪れてしっかり手にしていた
もう4年近く前の話だ
二度目もまた梅雨入りの前に手にしていた
あとはどれだけ自分がその役をこなせるか
それ以外何もない
6月初旬の平日の三宮で回らない寿司を食べた
それには注文という概念はなく
ただ出てくるものを食べるだけというものだった
社長とサシで食事
もう5年の付き合いになるが
初めてのサシだった
社長は淡々と話した
私の元上司の話、今の上司の話、後輩の話、自身の話
それら前置きが終わり
鮎の塩焼きが出てきたときに
私は話をした
社長が忙しい合間を縫って時間をくれた事由を
社長は概ね予想通りと言わんばかりの笑顔と前置きの補足を話し出す
そして自分の妻の話をご機嫌で始めた
それが最後までご機嫌で終わることはなく
一人の人を最低限守ることをやり遂げた安心感と
少しの哀しさが顔ににじみ出ていた
店を出た
少し湿気った空気
ウイスキー好きの社長はウイスキー好きの私と行きたいバーがあったらしい
三宮の細い路地をずっと進むとバーらしいバーテンがいるバーに入った
どうも一見は入れないバーみたいだった
棚を見ると見たことのあるウイスキーを探すほうが難しい品ぞろえ
正確には今一般的に流通しているウイスキーはほとんどなかった
そこでも社長はご機嫌に話し始めた
私ももうご機嫌だった
お前はクレイジーだ
でも、普通な奴に何が出来るのか
お前は今から何百人分の一の確率を成功しないといけないと思っている?
雨が降り始めた
バーの中でもわかるくらいの大雨
昔の自分に重ね合わせて
ウイスキーが進んでいく
雨が上がった
そのバーをあとにした
私は二度目のチャンスを手にしていた
人生の転機
それは伝染して彼女にも訪れている
私は自分が伝えられる話をした
余計に惑わせたかもしれない
ただ 少数派である自分の話をした
さあ 最後のチャンスとはなんぞや



我ながら運は良い方で既に一度訪れてしっかり手にしていた
もう4年近く前の話だ
二度目もまた梅雨入りの前に手にしていた
あとはどれだけ自分がその役をこなせるか
それ以外何もない
6月初旬の平日の三宮で回らない寿司を食べた
それには注文という概念はなく
ただ出てくるものを食べるだけというものだった
社長とサシで食事
もう5年の付き合いになるが
初めてのサシだった
社長は淡々と話した
私の元上司の話、今の上司の話、後輩の話、自身の話
それら前置きが終わり
鮎の塩焼きが出てきたときに
私は話をした
社長が忙しい合間を縫って時間をくれた事由を
社長は概ね予想通りと言わんばかりの笑顔と前置きの補足を話し出す
そして自分の妻の話をご機嫌で始めた
それが最後までご機嫌で終わることはなく
一人の人を最低限守ることをやり遂げた安心感と
少しの哀しさが顔ににじみ出ていた
店を出た
少し湿気った空気
ウイスキー好きの社長はウイスキー好きの私と行きたいバーがあったらしい
三宮の細い路地をずっと進むとバーらしいバーテンがいるバーに入った
どうも一見は入れないバーみたいだった
棚を見ると見たことのあるウイスキーを探すほうが難しい品ぞろえ
正確には今一般的に流通しているウイスキーはほとんどなかった
そこでも社長はご機嫌に話し始めた
私ももうご機嫌だった
お前はクレイジーだ
でも、普通な奴に何が出来るのか
お前は今から何百人分の一の確率を成功しないといけないと思っている?
雨が降り始めた
バーの中でもわかるくらいの大雨
昔の自分に重ね合わせて
ウイスキーが進んでいく
雨が上がった
そのバーをあとにした
私は二度目のチャンスを手にしていた
人生の転機
それは伝染して彼女にも訪れている
私は自分が伝えられる話をした
余計に惑わせたかもしれない
ただ 少数派である自分の話をした
さあ 最後のチャンスとはなんぞや


