２００３年 12 月２３日～旅日記より～

４階の部屋に宿泊だったので窓を開けて眠っていたら、蚊が入ってきて睡眠妨害に遭った。

何度も起こされての夜だったが、今朝は電気が点いた！　大きな町では送電規制もなく給水制限もない。日本では当たり前のことが異国の小さな町では特別になることを実感。

６時２０分に出発。

曇天は暑さが少なく有り難く、しばらく平坦な道をのんびり走行した。

今日はキャンプを予定しておりリアバックに水2.5L×２本余分に積載しており、やや重さが増している。

海岸線沿いを少し進むと左に大きくカーブした上りが現れ山へと突入。

緩やかな勾配でペダルを踏み込みながら少しづつ標高が高くなってくる。

もちろん途中に押し歩きもしながら。

汗をかきながら進んでいるとスイカを荷台いっぱいに積んだトラックが停車。

ドライバーに「この先のレストランまで何ｋｍですか？」訊ねると「ず～～～と先だよ」と、実に南米らしい答えで納得。

もしかして近くに冷たい飲み物などが購入できるお店などないか期待したが、そう都合よくこんな辺鄙な場所にオアシスがあるはずない。

自転車をロープで引っ張ってやるとのことで、少し迷ったが少しなら良いだろうと、誘惑に負けお言葉に甘えた。

トラックは真っ直ぐすすんでいても、こちらがハンドルに力を入れバランスを取るのは難しい。

おそらくスピードが遅いからからだろう。もう少しスピードが上がればバランスは取りやすくなるが、その分転倒して引きずられるリスクは大きく、そもそも上りでトラックのスピードも上がらないようだから仕方ない。

サイクルメータを外していたので何ｋｍ引っ張ってもらったか分からないが、助かったし何かお得感を感じてしまうから気を付けないといけない。今回は例外、例外。

トラックを見送りながらそんなことを思った。

さてそんなことがあったものの実は勾配はそんなにきつくなく、今まで走って来た砂漠地帯の景色とそう変わらないよう。

風が追い風になってくれ、鼻歌を口ずさみながらペダリングができるぐらい気分は良く、時々アップダウンの勾配もあるが苦には感じない。

走行６０ｋｍを超えた所にアプロラとの分岐点でキヨスコ（小さな売店）がありジュースを購入。

冷たくはないが有難いものには違いない。

２０ｋｍ先にホテルがあるらしく、取りあえずそこまで進むことを目標にペダリングも再開する。

強い陽射しを浴びながらも追風を受け順調に進め、町に入る前にポリスに停車を求められたが、気分よく対応できた。

この前は余裕もなく怒りを表しながら対応したことの反省もある。

アルト・シグアスは道路沿い左右に商店があり、幹線沿いなのでドライバーなどが立ち寄るのだろう。

右側にレストラン併設のオスぺダへがありこの宿に決めた。

私が日本人だと教えると「フジモリ」と返してきた。フジモリ大統領のお陰で日本人に好感を持ってくれているようで有り難い。

もし日本人に対して悪いイメージを持っていたら、今回のように関係ない旅人もその影響を受けることになる。

私も「日本人の代表」という思いを忘れずに旅をしないといけないよね。

チェックイン後のんびりする。パンアメリカンハイウェイは相変わらずバスやトラックが多い。

宿の外には大きな川があるが水量はあまりなく今は乾季なのだろう。

谷底に流れる川のように感じるな・・・そんなゆっくり自然を見つめながら思いに耽る時間が長いことに気付き、旅の良さを改めて感じた。

◆走行距離　83ｋｍ ◆総走行距離（11084ｋｍ/127日間）

◆最高時速　53.0 ｋｍ/ｈ

◆平均時速 14.2 ｋｍ/ｈ

◆時間　　　5時間 53分

●出費　12月 23日

●水 1.4、2.5、ジュース (3L) 3、昼食　3、ホテル 10

計 19.9（合計　1451.8S/.）

※1US$⇒120円⇒3.44 S/.ソル

1S/. ≒ 34.9円

139.心の余裕が充実した旅へ（１６４日目）