片寄ゆえ(19)専門2年生

宮下光一(20)



私。片寄ゆえの物語だ。



2025年

地元…沖縄を離れ東京の専門学生になった私。

バイトと学校が忙しく沖縄に帰ることもせず、1年が経とうとしていた。

6月20日母からいきなり電話がかかってきた。


私「もしもし?どしたの??」


母「いきなりでごめんね、おばーが危篤なの。」


私「え、嘘でしょ…」


母「ゆえに会いたがってるの。帰って来れる?」


私「学校と、バイト先には電話入れとく。今日の夕方の便で帰るね。空港まで迎えに来て欲しい…」


母「わかった。とりあえず成田空港に着いたら連絡してね。気をつけてきてね」


私「うん。」


(嘘でしょ…おばー…)

私は幼い時から高校まで両親が忙しく、おばーとおじーに育ててもらってた。

高校卒業してからおばーと喧嘩して家出するみたいに東京へ。

色々な後悔と悲しみと早くおばーに会いたいって気持ちとともに飛行機へ。

夕方の便で乗って沖縄に着いたのはもう20:00近く。

久しぶりの沖縄の匂い。

久しぶりの海の音。

久しぶりの暖かい家族。

私の大好きな故郷の沖縄へ帰ってきた。


おばーは家にいるとの事。

車に乗って家に帰宅。

急いでおばーの部屋へ。

おばーのことを見て目から1粒の涙…

元気だった頃のおばーがどこにもいない。

いるのは痩せて、昔の面影のないおばー。1年でこんなに変わるんだ。


その日の夜はずっとおばーのそばに。


朝になり、ご飯を食べている時に1人の男性が上がってきた。


男「おはよー」


と言って勝手に入ってきた男性を見て驚いた。


私「え!祐希!久しぶり!!」


そこにいたのは私の幼なじみで、初恋の相手。

1年前よりも大人びて、たくましくなった。


祐希「ゆーえー!久しぶりやっさ!東京の女みたいになったな!!」


私「何言ってんの!!ゆーきも立派な海人じゃん!てか、何しに来たん??」


祐希「おばーの顔見に来たのと、ゆえが帰ってきてるって聞いたからwあ!今から船出すけど乗るか?」


私「いいの!?乗りたい!釣りしたい!」


祐希「んじゃ、行くか」


久しぶりの祐希と船に乗って沖へ。

釣りをしながらたわいもない話。


祐希「東京はどう?彼氏でもできた??」


私「東京かぁ、人多いし、空気悪いし、いい所ではないよ?彼氏はいないよw祐希はまだ続いてるの?はーなと。」


祐希「はーなとはゆえが東京いった日に別れた。」


私「なんで!?あんなに仲良かったのに。」


祐希「あいつなぁ、色々あったんだよ。」


私「何があったの?」


祐希「んー。今から話すこと気にしないでな?」


私「うん、」


祐希「俺さ、ずっと幼稚園の時からゆえが好きだったんだよ。一人の女として。はーなから何度も告られてて断ってたんだけど、私と付き合わないと自殺するとか、言われて渋々付き合ったんだよ。」


私「そうだったんだ。んで、なんで別れたん?」


祐希「俺、ゆえが東京行く日見送りに行ったじゃ

ん。はーなと。帰りの車で、やっと邪魔者が消えた。ゆえのことほんと嫌いだったんだよね。あいつが幸せになるの見てるのほんと無理。祐希はどこも行かないでね??って言われてさ。目が覚めて、ふったんだよ。」


私「え。はーな…東京に来た時私の家で遊んだりしてたのに…」


祐希「あいつ、沖縄に戻ってきて、俺の家来てゆえのこと殺したいとか言ってたんだよ。だから朝様子見に行ったんだ。」


私「そうだったんだ。心配かけてごめんね。」


祐希「はーなには気をつけろよ?極力俺が一緒にいるからさ。」


私「ありがとう」


その夜私は家から歩いて3分のところにある海岸へ行き、座りながら色んなこと思い出してた。

祐希の話。はーなとの思い出。

楽しかった日々のこと。

いきなり後ろから声かけられて、振り向いた。

そこにははーなが立ってた。

近寄ってきて私は立ち上がって後ろにさがりながら話しかけた。


私「ひ、久しぶりだね。元気だった?こんな時間に一人でどうしたの?」


はーな「ゆえが帰ってきてるって聞いて!なんで逃げるの?私怖い?」


もう逃げる場所がなくこれ以上下がったら海に落ちる…

花菜が近寄ってくる。


花菜「私ね。ゆえのこと殺したい程大っ嫌いなの。お願い。私のために消えて。」


ドン。

突き飛ばされて海に落ちた。

頭を岩にうちつけそのまま意識が遠のいていく。