Sharing The World's Knowledge - スキマトーク社長日記

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英語を学びたい人と教えたい人をマッチングするC2Cマーケットプレイス「スキマトーク」CEOのブログです。ネイティブとのオンライン英会話でワンランク上の英語力を身につけたい方も是非お読みください。

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この度、UC Berkeley, Haas School of Businessを無事卒業しました。 卒業後は友人とアメリカで設立した会社(SkimaTalk, Inc.)の運営を行います。

留学、事業立ち上げにあたり、これまで色々な方々に助けてもらいました。 この場を借りて御礼申し上げます。

過去2年間を総括すると、挑戦の連続でした。
三十路を超えての長年勤めた会社退職、留学、子育て。そして、MBAとこの地で学んだことが、起業という更に新しい挑戦に駆り立てました。

MBA留学で学べるスキルや知識は沢山がありますが、私が得た最も大きな収穫は、自分が正しいと信じることを実行に移す勇気、だったかもしれません。

世界をより良くしたいという強い思いとそのためにリスクを取って行動する人々に間近で影響を受けなければ、米国で起業という恐れ多いことはできなかったと思うからです。

これからどうなるか全く先が見えませんが、力が続く限り、挑戦を続けたいと思っておりますので、引き続き、皆様のご支援を宜しくお願い申し上げます。

清水 幸治

Koji Shimizu
Co-founder, SkimaTalk, Inc.

Website: http://www.skimatalk.com/jp
Like us: http://www.facebook.com/SkimaTalk
昨日素晴らしい授業を受けた。

知っている人はほとんどいないと思うが、IronPortというEメールセキュリティソフトの会社を2007年にシスコに$830Mで売却した創業者兼CEOのケースで、本人であるScott Weiss氏もクラスに登場。お題はIPOを目指すべきか売却すべきかという意思決定。結論として、売却したのだが、組織をゼロから立ち上げる過程とまさに手塩をかけて育てた組織とチームをシスコに売却する際の心の葛藤をとて正直に生々しく話してくれた。

New Venture FinanceというスタートアップのCEOの視点で資金調達を学ぶクラスだが、昨日の授業に関してはFinanceというよりも、個人的には人事/組織マネジメントの話に近いと思っている。実はMBAで本当に学びたかったのはこの分野だった。おそらく一般的な日本人のスキルセットのうち、英語力の次、またはそれ以上に致命的に欠落している分野だからだ。そしてマネジメントの方法は数多くある中で、素晴らしいロールモデルをMBA2年目にして見つけたという点が個人的にはとても嬉しかった。

彼のマネジメントの方法は要約すると、
1. 大きなビジョンを持つ
2. そのビジョンに対してエキサイトする人だけを集めて、維持する。
3. 強烈な文化を作る( 顧客重視、透明、Approachable)
4. 人をよく評価し、フィードバックし、育てる。
になるだろう。

シンプルといえば、シンプルだがそれを実行できる人は少ない。「Reinvent the email industry」というビジョンを繰り返し唱え、チームを駆り立てる。マネジメントの採用は最低20回、それ以外は最低6回のインタビューを行う。全員と話し、全員が何を考え、何にやりがいを感じるかを知る。オフィスを歩き回って、会議にも飛び入りで出る。数ページにわたる、詳細なPerforman Reviewを作り、フィードバックする、それを頻繁に行う...などなど数多くの例を上げて如何に彼がそれを実践したかを示してくれた。残念ながら、日系大企業ではこれらが行われることはまれだ。2については、彼は必要あらば15%の人員削減を行っているが、日本では物理的にできない。1、3、4はお題目に終わってる企業だ大半だろう。そして、4年間で400名以上の従業員のうち、自主的にやめたのは一人だけ、売却を決めた時は泣き出すメンバーもいたという、強固な組織と文化を作り上げた。

このクラスの教授はシリコンバレーの古参ベンチャーキャピタリストなのだが、彼を一緒に仕事したCEOのなかでベストなCEOと評した。教授もBoard Memberとして、彼とそのマネジメントがIronPortを大企業に育てるポテンシャルがある、と売却に大反対したが、結局はCEOとして、IPOを目指さないという結論をだした。理由は3つ。

1. 独自路線を進む場合の競合は、シスコ、Google、マイクロソフト。「単純にScaryだった」と。
2. 彼の部下のマーケティングVPは親友で元起業家。彼の会社の価値は一時期$3Bまで、個人株式資産として$400Mまでいったが、ITバブルがはじけて$400M→$1500になってしまい、それを売ったお金で結構いい”自転車”を買った(クラスは爆笑)というのを間近で見て、$800Mというとても魅力的なオファーに惹かれてしまった。
3.シスコから彼が子供のように育てた組織と文化を守るという言質を取った。
というとても正直で人間らしい理由。私も元いた会社で、現地法人を中国でイチから立ち上げ、数年後に友人も含めてほぼ全員をリストラしたという経験があるので、少しだけ彼の気持ちがわかった気がして、とてもジーンとしてしまった。確かに何事にもオープンでこの人と一緒に働いてみたいという人物だった。ちなみに、元いた会社の現地法人は数百億円の損失を出して事業ごと中国から逃げ出したが、大きな理由の一つは彼のような人物が日本側にいなかったからだ。優秀な現地人CEO(今は確かAppleアジアのトップ)を雇いはしたが、その彼をとおして、人と組織をマネジメントするということに完全に失敗したのだ。

そもそも伝統的な日本企業は個人として、人と組織なんてマネジメントしなくいいシステムになっている。年功序列、終身雇用、平等主義の村社会なので、コミュニティが相互監視して、マネジメントしてくれる。たまたまそういう意思の有る人がいたら、人望を集めるが、あくまでそれはたまたま。属人的であって、組織としてはシステマティックにそういう人材を育ててこなかったし、個人としてそういうスキルをつけるインセンティブも少なかった。私が経験したPeformance Reviewなんていい加減なものだったし。だがこれからはそのムラ社会が崩れる。おそらく10年後または数年後。だからこのスキルは今後重要になってくる。舞台はグローバルに移るので、それを上司または部下として英語で経験しなければならなくなる。そしてその移行ができない会社は、業態的に海外に目を向けなくていい企業を除いてはきっとつぶれる。だからMBAに来てその人事/組織マネジメントを学びたかったし、会社も辞めた。数百億円の損失という負け戦と数年間で組織を創ってつぶすというある意味空しい時間と作業を二度と経験したくないと思ったから、というのが大きな理由だが、この会社は変われないという前提(または 確信に近い)を置いて、10年後に40代で会社を放り出されるより、30代で自分で放り出した方がまだましかな、と思ったのも事実。

「会社はヒト」という人は数多くいたが、それをPrincipleや信条レベルに落とし込んでいる人は少ない。元いた会社の社長も彼と比べたら足元にも及ばないだろう。さて、MBAでこれらのスキルを身につけることができるか?答えはNoだ。2年間の海外MBA生活で、人を育てるためにフィードバックが必要、ビジョンや文化にこだわる、それを実践する、、というのが何となく大事だろうなというのを気づくぐらい。私の場合、昨日、強烈な信条にもろに触れて、ある一つの選択肢が(私が思う)正しい道なのだと確信に至ったぐらいだ。いわば千里の道の1歩を踏み出す前に、その方角を決めることができるだけだろう。実際スキルレベルに落とし込むとなると、こうだと決めたPrincipleを経験で試さないと身に付かない。明日から完璧にやれいっていわれても絶対的にできない。ただ、小さな一歩、大きな組織でなくても、数名のチーム内ですぐに実践は開始できることだと思う(一瞬、自分の家族という最小単位で試してみようかと思ったが「Reinvent the family」とか言い出したら家庭が崩壊しそうなので思いとどまった)。

20-30年のスパンで考えると、日本人はマネジメントする側に留まるか、マネジメントされる側にまわるかの岐路にたっていると思う。いずれにせよ英語は必要だが、このままだと「される側」にまわりそうな気がする。MBAの小さいコミュニティを見てるだけでも、日本では肉食系の人もこっちにいたら比較(特に対アメリカ人、中国人、インド人)で草食系になってしまうのだ。人や組織を育てるということはとても難しいことだが、そろそろ準備をして、何かしらアクションを起こす必要があるような気がする。まずは個人レベルで。

ちなみに、意思決定やアクションを起こすには「前提」を置くことが役に立った。私は「10年後に組織がなくなって、放り出される」というある意味極端な前提を置いたから、決断しやすかった。そしてその前提が正しいかどうかは日々Watchしてメンテしていれば、遅くなる前に軌道修正もできるし、結果がうまくいかったときの理由がわかりやすく、納得感もある。例えば「トレンドとして日本人はマネジメントされる側にまわる」という前提を置いてしまえば、その前提に沿ってやるべきことが見えてくる。「トレンドに抗うために自分を変える。リーダーシップを取れる経験を進んで行う」とか「専門性を磨いて手放したくない人材になる」といったアクションだ。日々のもやもやっとした不安に対し、前提を置いて決定し、アクションに落とし込んでしまえば、不安は薄れ、あとはそれを淡々と実行するだけになる。ぐずぐず言う前に行動することがとても大事(だと自分に言い聞かせている。実際は結構難しいので)。

さて、話は逸れたが、Scott Weiss氏の話に戻ると、子供が3人いて、住宅ローンありという個人的な事情もあり、過去に戻ってもおそらく同じ決断をしただろう、ただ今でもそれが正しかったかは全くわからない、と。その後、契約条件に基づいてシスコに移り、セキュリティビジネスのトップとして千人以上の従業員を数年間率いた後、同社を退社。Andreessen HorowitzのGeneral Partnerに転身し、今は投資家として起業家とスタートアップを育てている。
彼のブログはこちら:http://scott.a16z.com/about/
今週からHTMLの勉強を開始。何かを始めてやりとげるのは難しいが、何か目標があれば違う。しかも、HTMLは学んだことがすぐに結果として目で見えるので、創り上げている感もあり、とても楽しい。
新しいことを学ぶことは素晴らしい。
そしてやりたいことを自由に始められる環境に感謝。

Today is the day I start the preparation of admission test for MBA.




TOEFL, GMAT, resume, essay, recomendation letters... lots of things should be done.




The most important thing is to focus and concentrate.




OK, let's get started!