今年は3年ぶりのお祭り開催で
結局、今回も帰ることはできず…
もうどのくらいになるのだろう
毎年
金木犀の香りに気づいた瞬間から
お祭りが終わるまでのこの時期
妙に心がザワついてくる
幼い頃に組み込まれたDNAは
どんなに遠くにいても
どんなに長く離れていても
他の出身者と同じように
変わることは無いみたい
ひと月前から
毎夜練習している
太鼓の音がお腹に響いてくるようだし
開催期間はYouTubeを検索し
次から次へと食い入るように動画に見入る
静かな田舎町が
盆暮れ正月以上に賑わい
必ず戻ってくる親戚一同のために
ご馳走を仕込む
あと何日、あと何日と
お祭りカレンダーをカウントダウン
開催最終日は学校も職場もお休みになった
期間中ずっと太鼓台のてっぺんに陣取る
名物教師もいた
その下では生徒がかき夫に紛れ込む
御花御礼の口上
ライトアップされた太鼓台
3t以上の太鼓台をさし上げるかきくらべ
2年に一度の「船御幸(ふなみゆき)」
指先にとまるトンボ
瀬戸内の夕焼け
こみ上げる想い
観光事業というより
私も含め地元民の
自己満足が色濃い気もするけれど
それでもいい…
それだからいい…
昔と変わらず受け継がれている様子の映像に
安堵する自分がいる
梨…rin

