No.225 月間小笠原諸島 2022.04

 

 小笠原村健康増進計画(小笠原村食育推進計画)素案 パブリックコメント意見(要旨)

 

1. 2月 17 日~3月 18 日までパブリックコメントを実施?
 p.2「計画策定の体制 村民の意見を反映するため、令和4年2月 17 日~3月 18日までパ ブリックコメントを実施しました。」と記述されているが、パブリックコメント実施を知ったのは、3/1各戸配布された『村民だより』3月号で、それまでもそれ以後も村の掲示場、各所の村掲示板には公示、お知らせなどなかった。実質的には、3/1~3/18までのパブリックコメントであって、「2月 17 日~」とするのは不適当であり、訂正を求める。

2. 計画策定の基礎データ
2.1. 根拠を明示すべき
 各種表の資料によると、
 1)小笠原村住民基本台帳
 2)総務省統計局:国勢調査
 3)総務省:住民基本台帳人口に基づく人口、人口動態及び世帯数に関する調査
 4)国立社会保障・人口問題研究所:資料名不記載
 5)厚生労働省「平成 27 年度市町村別生命表」
 6~9)東京都福祉保健局「出生数・出生率(年次)」 他
 10~11)国保データベース「地域の全体像の把握」他
 12~14)資料作成者不記載「令和2年度東京都がん検診精度管理評価事業」他
 15)東京都福祉保健局:資料名不記載
 16)小笠原村村民課調べ:資料名不記載
 17)健康栄養連絡会調べ:資料名不記載
 18)資料作成者不記載:平成 28 年成人の全島食事調査結果報告書
 19~26)小笠原村村民課調べ:資料名不記載
 27)資料作成者不記載:東京都の学校保健統計書
   表番号が無い、資料作成者不記載、資料名不記載が目立つ、又作成者は何者なのか説明がないと理解不能なものもある。エビデンス(根拠)を明示することは当然の義務である。
2.2. 国保データは、村民の健康状態把握に十分か?
 p.5「村の人口の2~3割を占める公務員が数年周期で異動する」と記述している「公務員」は、本計画の対象外としているのか? 村が毎年実施している健診事業には、公務員、社会保険加入者も含まれており、健診受診者全てからデータを作成すべきである。
2.3. 診療所受診・治療データが無く計画策定できるのか?
 小笠原村診療所(父島)、小笠原村母島診療所(母島)でほとんどの住民は受診・治療している。週1便の定期航路しかない本村で、村立診療所を受診せずに直接内地の医療機関を受診する患者はごく稀であり、診療所の島民受診データは、本計画に欠かせない。村立診療所は国保直営診療所でないため、村民の医療データが反映されていないと思われる。村民の医療データなしでの立案・策定は理解に苦しむ。

3. 島で最後まで暮らせる計画を
 p.7「死亡率は東京都に比べるとかなり低い値となっています。これは村内では治療できない病気を患い、あるいは介護度が上がるなどにより本土へ転出せざるを得ないケースが多いことも影響していると考えられます。」と分析しながら、本人の本意ではなく離村する高齢者対策が示されていない。特に、帰島した小笠原諸島生まれの方々、島育ちの方々が本意に反し離島されることは、慙愧に耐えません。医療体制の充実、村が父島に開設した有料老人ホームの拡充、母島設置の検討など計画にうたわれるべきことである。
 
4. 医療とリンクした計画を
 国保直営診療所でない村立診療所は、特別会計でなく一般会計で運営されており、赤字を気にすることなく診療に専念できるが、収益率が高い検診事業は手を出さないでいる。その結果、以下の課題があるものの、対策が示されていない。
4.1. 住民の診療所受診傾向と検診事項がリンクされていない。
4.2. 検診結果を村立診療所が把握できない。
4.3. p.14「令和3年度から小笠原村独自で前立腺がん検診も行っています。」と記述があるが、住民健診はがん発見のみが目的ではなく、病の早期発見、早期治療につながらなければならないが、診療所の対応ができていない。
4.1.1. 健診事業を役場の担当者任せ、受託者への丸投げにすることなく、医療保健関係者で情報共有し、検診項目、機器(例えばマンモグラフィ)など、議論し改善すべきである。
4.2.1. 健診申込書に、「村立診療所に健診結果を提供してよいか?」の質問項目を設け、可とする人の結果は診療所に提供するようにすればよい。既にカルテの電子化がされているので、容易であると思われる。
4.3.1. 泌尿器科などの専門診療を村立診療所に新増設する。

5. 結果説明会
 p.18「住民健診結果説明会については毎年父島母島で各1回実施」とあるが、父島では奥村地域福祉センターに扇浦・北袋澤地区の住民も自力で又は、村営バスで来いとしている。結果説明会に要する時間は、参加者本人にはわからず自力で歩くか自動車などで来れる人に限られる。扇浦・北袋澤地区での開催、送迎サービス実施などの改善が必要である。

6. 急患搬送時間短縮を
 p.20「小笠原村の診療所では対応できず、本土の医療機関へ救急搬送となった場合には収容まで約 10 時間を要する」とあるが、 硫黄島経由で夜間搬送できるようになって以後の時間短縮は見られず、時間短縮を図るべきである。厚木基地→都立病院搬送の約1時間は、患者にとっても負担であり、原則羽田着にすることが望ましい。
 
7. 保育園・学校の栄養・食生活
 p.24「保育園や学校との連携による家庭における正しい食習慣の普及啓発」とあるが、給食のない母島保育園、村立小中学校とどう連携をとるのか具体性がない。
 
8. 自殺
 p.27「村内における年間自殺者数は平均 1、2 名であり、自殺死亡率(人口 10 万対)は東京都の平均より高く、職場でも不適切な関りや指導方法により、精神状態が悪化した事例も少なくありません。」とあるが、「自殺者を出さない」という目標が掲げて取り組むべきであろう。
8.1. 同ページ「精神的な不調を抱えている村民もいますが、村内には常勤の精神科医はおらず、年4回の精神科の専門診療を実施しています。」とあるが、「早期に精神科受診、相談に」、現状の精神科の専門診療のありかたは十分なのか示していない。現状は、精神科の専門診療の村民への広報はされておらず、なぜ他科の専門診療のような広報をしないのか、疑問である。
8.2. 同ページ「施策の方向性」で「職場のメンタルヘルスや自殺の危険を示すサインに気づき適切に関わるゲートキーパーについて保健所と連携しながら講演会等を実施し普及啓発を図ります。」と「施策の方向性」が「講演会」という「普及啓発」に収斂されている。普及啓発で目標が達成できるのであろうか?

9. 禁煙


 p.28「受動喫煙防止のための環境整備」とあるが、公共施設では敷地を含み禁煙とされているものの屋外での喫煙、歩行喫煙は未だ日常的に行われている箇所があり対策が必要である。
9.1. 父島では、大村・清瀬トンネル内禁煙の表示があり(上写真)、毎月父島クラブ(老人会)の清掃ボランティア活動によりポイ捨てタバコも拾われており、又、商店街では、生協前のベンチに置かれていた灰皿は撤去され、禁煙の表示もある(↑トップ写真)。一方、都道歩道上のベンチでは、買い物客が喫煙していることもあり、受動喫煙防止対策がとられていない。
9.2. 母島では、「ガジュ下」という通称で親しまれている都道T字路歩道上のベンチでは、喫煙がよく見られ、受動喫煙防止対策がとられていない。

10. 歯科検診
 p.30「成人向けの歯科健診を実施していないことに加え、予防のために歯科を受診している方は限定的であるため、成人の歯・口腔の健康状態については把握できていないのが現状です。」とあるが、父島に小笠原村診療所(歯科)、民間歯科医院があり、母島には小笠原村母島診療所(歯科)があり、個人情報を含まない統計的データの把握は可能なはずであり、又、小笠原村国民健康保険等の加入者の受診データは把握できるのに、理解できない。
10.1. p.32「施策の方向性」で「成人歯科健診の実施可能性について検討します」に止まっているのは、なぜであろうか?2500人に3人の歯科医師は、人口10万人当たり120人という高密度で恵まれている環境にあり、実施方法・時期等を検討すれば検診班招聘せずとも可能であると思われる。「成人向けの歯科健診を実施する。」施策を示すことが妥当と思われる。

11. 関係機関との連携
11.1. p.35「事業の効率的な実施を図る観点から、庁内の国保等の医療保険者や介護保険、及び医療機関との連携も強化します。」とあるが、「国保等の医療保険者や介護保険」は同一課内の問題で、計画に上げないと解決出来ない問題か?又、医療機関は、1民間歯科医院以外は、医療課所属であり、連携の現状が分析されなければ、課題も見えてこない。
同ページ「食育に関しては、特に健康栄養連絡会と密接に連携」とあるが、代表者は誰で、どこに置かれ、どういう構成員で、どういう活動をしているのか不明で、意見の言いようがない。
 以上

小笠原村健康増進計画
(小笠原村食育推進計画)
https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/wp-content/uploads/sites/2/2022/04/ogasawaramura_kenkouzoushin.pdf