「日経トレンディ2012年6月号(5月2日発売)」の特集「スマホの処方箋」では、スマートフォンの知られざるワザから必携アプリまで徹底解説した。ここではその一部を紹介する。
スマートフォンはついに普及期に突入した——。最新の調査によると、全国のスマホ普及率は23.6%。有料、無料を問わず、アプリを次々にダウンロードしてスマホを仕事に活用したり、パソコンやAV機器と積極的に連係させたりするような先端ユーザーが市場を牽引していた時期は過ぎ、「いわゆる普通の人がスマホを買う時代になった」(ディーツーコミュニケーションズの大良泰弘・企画推進部部長)。
スマホの普及率は、昨年の7.6%と比べると約3倍に増加。大躍進の背景を探ると、普通の人がスマホを選ぶ理由が見えてくる。
まず、量販店やケータイショップなどの店頭を見ると、従来のフィーチャーフォンよりもスマホのほうが種類の多さはもちろん、価格が圧倒的に安いのがわかる。キャリアやメーカーの積極的なスマホ販売促進キャンペーンの影響で、ガラケーのほうが価格が高くなってしまったのだ。こうなれば、従来のケータイからの乗り換えを考えていた消費者が選ぶのは、おのずとスマホになる。
また、スマホの所有率が最も高いのは、意外にも「20代女性」。所有率は54.2%とすでに過半数を超えている。「周りの人がスマホに替えているから」といった、流行に乗る感覚でスマホに機種変更している人が多いようだ。
スマホ所有率ナンバーワンは「20代女性」 全国の15~69歳でのスマートフォンの普及率は23.6%に到達。昨年同時期の調査と比べると、特に女性の所有者が大幅に増え、20~29歳の女性の所有率は54.2%と、最も高い結果となった。 いよいよ大衆化の時代に入ったスマホ市場は、「積極的に使いこなす層とそうでない層の二極化が進む」(ディーツーコミュニケーションズ)とみられている。スマホ非所有者のなかで今後の購入意向が高かったのは15~19歳の男女。そのため、今後はスマホユーザーの若年化が進みそうだ。「アナログ亡者」「グーグル不精」…スマホオンチが大増殖
こうしてスマホデビューしたユーザーは、前述したような先端ユーザー層とは異なり、「アンドロイドとiOSの違いすらわかっていない人がほとんど」(業界関係者)。OSや機能よりも、例えば「LINE」に代表されるようなコミュニケーション系サービスや、ゲームなどの無料アプリのほうに興味を持つのが特徴だ。「最新端末で先端機能をバリバリと使いこなしたい」というよりも、「友人と同じサービスでコミュニケーションをしたい」、「すき間時間にゲームを楽しみたい」といったエンタメ要素のほうが大きい。
スマホの普及と同時に新たに生まれているのが、“スマホオンチ”だ。高機能なスマホを持っていながらも、うまく使いこなせていない人たちを指す。
典型ともいえるのが「アナログ亡者」タイプ。スマホに乗り換えたはいいものの、ガラケー時代と同じ使い方しかできていない人だ。スマホの用途はもっぱら通話だけで、「マップ」や「スケジュール」などの標準アプリですらうまく操作できない。聞き慣れないアラーム音が鳴ると「恐怖心すら覚える」という人もいるようだ。
自分はそれなりにスマホを使えていると思っていても安心できない。スマホの連絡帳データを完全同期する方法がわからないなど、実はグーグルサービスをよく理解していない「グーグル不精」も多い。今や「Gメール」や「グーグルカレンダー」「グーグルマップ」などのグーグル系サービスは、スマホを使いこなすうえで避けては通れないポイントなのだ。
脱・スマホオンチの「処方箋」が明らかに
せっかくスマホを持っているのなら、うまく活用しなければもったいない。「スマホオンチ」から脱する方法はいろいろあるが、まずは機能に乏しい標準アプリを捨て、高機能なアプリに乗り換えるのも手だ。
例えばメールアプリでは、iPhone向けには「Sparrow」(250円)、アンドロイド向けには「K-9 Mail」(無料)が薦められる。標準のメールアプリは操作がシンプルでわかりやすいが、複数のメールアドレスを扱う場合は、こうしたアプリを使ったほうがよりスムーズにメールを送ることができる。
標準メーラーの弱点を補うアプリ 常に持ち歩くスマホでは、複数のメールアカウントを管理できることが重要。標準アプリの弱点を補う機能も必要だ。iPhoneの標準メールアプリで写真を送信する場合、先に写真を選ばなくてはならないが、「Sparrow」(250円)ならメール作成画面で選択可能。アンドロイド向けの「K-9 Mail」(無料)は、複数のアカウントのメールを一括表示でき、検索しやすい。 また、パソコンで使っているブラウザーのように、スマホでも「タブ」でインターネット閲覧ができると便利だ。iPhoneやアンドロイドの標準ブラウザーは複数のウィンドウに対応しているものの、それぞれをタブで切り替えることができず不便だ。iPhoneとアンドロイドの両方に対応した「ドルフィンブラウザー」(無料)であれば、スマホの画面でタブブラウジングが可能になる。
PCのようなタブブラウズをスマホでも パソコンのブラウザーでは、タブを用いて1つのウィンドウ内で複数のページを表示する機能が主流。「ドルフィンブラウザー」(iPhone、無料)、「ドルフィンブラウザーHD」(アンドロイド、無料)は、このタブ機能がスマホでも使えるブラウザーだ。タブの数に上限はないので、パソコンでウェブを見るように、サイトを同時に好きなだけ開くことができる。 日経トレンディ6月号の特集「スマホの処方箋」では、ビジネスや移動、家庭内など6つの主要シーンやキャリアごとに、意外に知られていないスマホのアプリや技を編集部で厳選。目からウロコのテクニックでスマホを使いこなせるようになる“処方箋”として、ユーザーのタイプに合わせて詳しく紹介している。
(文/佐々木淳之=日経トレンディ)
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