『飛ぶ教室』 があまりによく、読み返しているのですが
彼が子供に強く生きさせたいと願う、印象的な文章があったので、ご紹介したいと思います
(いじめ、体罰問題で連日TVが騒がしいので、みんなこの本を読めばいいのになぁと思っております)
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みなさんは、ボクサーのことばでいえば、パンチを受けても、がんばらなくてはいけません。
パンチを受けてもがまんして、もちこたえることを学ばなければいけません。
そうしないと、世の中に出てはじめてのパンチを横っつらにくらったときに、グロッキーになってしまいます。
世の中というものは、ものすごくサイズの大きいグローブをはめているからですよ、みなさん!
もしきみたちが、横っつらにそんなパンチをくらったとき、それにたいする覚悟ができていなかったら、
ほんのちっぽけないえばえが一ぴき、せきをしただけでもう、うつぶせにのびてしまいます。
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思うのですが、人間に「不快」という感情がある以上、
この世はユートピア―悩みなんてない、幸せだけでできた世界―ではありえません。
例えば、学校生活においては
びりっけつになってしまう子も、乱暴者の子も、どうしても人見知りしてしまう子も
わがままな子も、ずうずうしい子も、いるもの。
そして、それに不快な感情―「あの子、あんまり合わないなぁ」「いやだなぁ」というのが生まれてしまう。
でもそれって自然なこと。
それを無視してしまうと、とってもひ弱な子、もっといえば、自分と価値観の違う人と交流を怖がってしまう人に育ってしまいませんか?
学校が、「みんなでなかよくしましょう~」「体罰はいけません~」と言うこと自体は、方向性を示すうえでは大切なことなのですが、参加する側には、また別の心構えがいると思うんです。
なぜなら、社会に出た時に、彼の言葉を借りれば、大きなグローブがあることも知らないで、大きくなるというのは悲惨なことだから。
じゃあどうすればいいか、彼はこういいます。
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だから、がんばって!精神力をこしらえること!(中略)
そういう人は、おちついた心がまえがじゅうぶんできていますから、勇気とかしこさを、実地にしめすことができるのです。
だから、おぼえていてください。
つまり、かしこさをもたない勇気はらんぼうで、勇気をもたないかしこさなんかくだらないものだ、ということを!
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本当に大切なことは、画一的なガイドラインではなく、名めいが、自分の個性にあった「かしこさ」と「勇気」を持つことを教えることだと思うんです。
声をあげる勇気、とめる勇気、聞く勇気・・・
世界はユートピアではないと知ること。そういうスタートもあるんじゃないかなと思いました。
今日は、まじめなお話でしたが、お付き合いいただきありがとうございました