11年前の、6月17日は結婚式前日。
夜、少し遅めの時間に、突然私の家にやって来た彼。
心配しないで付いておいで
明日、な。
それだけ伝える為だけに、やって来た。
何故か長かった私のMarriage Blueの、終わった瞬間。
照れた様な、困った様な
でも、しっかりと、私の目を見て言ってくれた彼。
玄関先で上がりもせずに、『突然すみませんでした』と母に伝え、帰って行く後ろ姿を見送ると
彼にしては珍しく、何回か振り返り、そこに私を確かめていた。
あれから11年が経った、6月18日。
私は、この人の後ろを、これからも、ついて行く。
娘の頬、息子の頬と触れてから、私の頬に手を伸ばし
『やっぱ、子供とは違うなぁ』と、無邪気に毒を吐くその口に、合うかどうか
な、記念日ケーキは
お弁当用に、冷凍保存していた黒豆を、全部使って、挟み込む
『うんめー』と、言いながら貪る片腕には、Shoutaro-。
昨年は記念日前日に妊娠が分かった胎児ちゃん。
まだまだ“胎児”とも呼べない小さな命だったShoutaro-を抱いて
この人の、子供を産めた事を、素直に嬉しく思う。
ねぇ、たー君。
頬の、張りも弾力も瑞々しさも、衰えてく私だけど
結婚前より、いっぱい笑える私になったよ
この幸せは、あなたのおかげ。
たー君。
私を見付けてくれて、ありがとう。
新しい未来を、家族で作って行こうね。
いつも ありがと