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彼が選んだのは何と本人の予想を覆す結果となった
“賢者の道”だったのだ。
ただし、選びたかった訳ではなく“その道”しか選択出来なかったらしい。
彼の友人のカエルや、ランニングサークルの早い方々はA(あっという間に走りきる)グループだった為会う事すら出来ず、彼は一人で黙祷してレースに臨んだ。彼は数えてABCDEのD(だらだらゆっくり)グループに並んだ。そしてアナウンスの方がスタートしましたとの放送が流れてから久しくして動き出し3分少しでスタート地点を通過。ようやく彼のレースが始まった。
彼はもう友人について行く事が出来なかった。しかたなくゆっくり楽しく走る事にした。10km過ぎてタイムが58分。だいたいキロ6分ペースで悠長に走っていてちょっと考えたら、2時間以内で帰れないじゃぁないですか~。仕方なく少しペースを上げて何とか以内に収まりました。友人たちは1時間半辺りなので情けない限りですが、彼の今回の目標の“途中で壊れない”事と、“1時間50分台”に辛うじて達成出来たので良しと言った所でしょうか。
彼は翌日、踵の痛みが発生する事になる。
手術を受けるべきか、このままにするか。。。どうしようっかな~
今のところは、終わってから痛いだけなのでこのままで良しとしておこう![]()
彼は考えた。明後日のマラソン大会のことを。。
彼はハーフマラソンに出場する。
普段練習されていらっしゃる方々にとっては“たかがハーフ”である。
だが、彼にとっては“されどハーブ”とっても厳しい道のりである。
そこで彼は作戦をたてた。
考えるにあたって彼のアイテムを御説明しよう。
1、キロ6分なら15キロは走れる可能性を持った脚!
2、キロ4分半で1キロ持たないハート
3、いつでもドクターストップ頂ける右膝
4、走ると感覚の無くなる左踵などなど。。
そして2通りの案を作成した。
その1 賢者の道
それは、レース前半をキロ6分に押さえつつ調子を見る。
そして後半状態に応じて展開を試みる。
良ければ1時間50分での完走を目指す。
実に自分向けの形である。
その2 破滅への道
これはレース前半無茶をして、友人(キロ4分半)に出来るだけ
付いて行き、後半は脚が動かなくなり苦しみと共にゴールを目指す。
実に愚かである。
この2つから自分の性格を加味して結論を出した。
御想像にお任せしよう
レースが楽しみです
。